鉄建建設が取り組む小水力発電事業が始動した。同社など4社が出資するTKアクアグリーン(東京都千代田区、宮崎龍司社長)は、山梨県大月市の山あいに整備した「真木川小水力発電所」の運転を1日に開始。険しい地形が多いオーストリアで開発された水車や、現地で主流となっている「コアンダ取水」を採用。発電効率やランニングコストの面で優れた発電施設となっている。
23日に運転開始を祝う式典を同市で開いた。式典で宮崎社長は「地域や市民と国際的な先進技術が融合した取り組みであり、意義は大きい」と強調した。鉄建建設の今井政人社長は「地域に信頼される運営に努める。地域と共に新たな価値創造に取り組めることをうれしく思う」と述べた。山梨県森林環境部の長田芳樹次長、小林信保大月市長、シグリッド・ベルカ駐日オーストリア大使らが加わり、テープカットで門出を祝った。
発電所は相模川水系真木川の上流から水を引き込み、78メートルの落差を利用して水車を回し、発電する。最大出力は199キロワット。年間発電量は119万キロワット時(約280世帯分)を見込む。オーストリアの水車メーカー・WWSが、ノズルから水を噴射して水車を回す「ペルトン水車」を、水量や地形、発電効率を踏まえてオーダーメードで製作。水車や制御設備を収める建屋も整備した。
既存の堰堤に取水設備を増設し、地中に埋設した導水管で水を取り込む。水が物体に沿って流れる性質を利用し、傾斜をつけたスクリーンで落ち葉などを除去しながら取水するコアンダ取水を採用した。12ユニットのスクリーンを並べており、この規模のコアンダ取水設備は国内初という。
TKアクアグリーンには鉄建建設以外に、飯塚工業(山梨県笛吹市、飯塚潤社長)、岡山電設(京都府綾部市、大槻裕二社長)、再エネ地域デザイン研究所(川崎市宮前区、奈良泰史代表取締役所長)が出資している。






