西松建設らゼネコン5社は、仮設用に限定していた山留め壁形鋼材を建物の地下外壁に利用する「CUW工法」を更新した。免震層の地下外壁(立ち上がり壁)と基礎スラブの接合部分(隅角部)の設計方法を確立するなどして、免震建物にも適用しやすくした。日本建築総合試験所の建築技術性能証明も取得している。従来の耐震建物に加え、適用が難しかった免震構造や深い地下構造の超高層などにも積極提案していく。
CUW工法は、幹事社を務める西松建設が安藤ハザマ、佐藤工業、フジタ、三井住友建設と共同開発した。従来は仮設材として限定使用していた山留め壁形鋼材を建物の地下外壁に利用し、山留め壁の応力材と後打ちRC造壁を構造上一体化した壁体工法になる。地下外壁工事の省力化や建設コストの低減、二酸化炭素(CO2)削減に貢献する。
同工法の更新で、地震時土圧(短期荷重)に対する設計方法を追加した。ひび割れなどの損傷を最小限にするため、規模が大きい建物や地震時に液状化リスクの高い層が近接する地下外壁では地震時水平力への設計が求められると分析。そこで短期荷重に対する構造性能を確認し、設計指針に追加した。
立ち上がり壁と隅角部の設計方法も確立した。CUW工法を免震建物に適用する場合、免震層の立ち上がり壁に作用する側圧で生じる断面力に対し、構造安全性を確保できる隅角部が必要になる。従来は具体的な設計方法が明示されていなかったため、構造実験を経て設計指針に盛り込んだ。
山留め壁に生じた施工誤差への対応方法も追加。従来は山留め壁形鋼材が地盤側にずれて施工された場合、多くの手間を要する溶接金網を設置して補強してきた。作業の合理化に向け、U字型鉄筋による補強方法を考案し、構造実験で耐力を確認して施工指針に加えた。
西松建設によると、免震層の立ち上がり壁にCUW工法を適用した高さ5メートルの試設計では、従来工法に比べ壁圧と鉄筋量を低減して躯体数量を削減。施工コストとCO2をそれぞれ20%程度低減できた。







