内閣官房は「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~25年度)の主な成果を取りまとめた。激甚化する風水害や切迫する大規模地震に備えた各種対策により、多くの効果が発揮されている。ダムや雨水排水施設の整備、河道掘削などの推進によって、各地で豪雨による浸水・土砂災害の被害が軽減された。例えば秋田と山形の両県境を流れる雄物川は、堤防整備の前後で浸水被害が705戸からゼロに減少した。
土石流などの山地災害リスクが高い約1100カ所で森林整備や治山対策を実施し、大雨時の被害額の抑制につなげた。荒廃した渓流など土石流の発生リスクがある地区では、治山ダムの設置など対策を講じた。
学校施設の耐震化や防災機能の強化も進展。私立学校では、つり天井落下防止対策を講じた体育館などが3689棟(18年度)から4143棟(23年度)に増加。公立小中学校では、空調設備が設置された体育館数が1759棟(20年度)から7236棟(25年度)に拡大した。災害時に安全・安心な避難所として活用できる環境が整備された。
医療施設の耐災害性も強化した。災害発生時に、被災地からの傷病者の受け入れ拠点にもなる「災害拠点病院」で発災直後から3日程度診療機能を維持できるよう、給水設備を363カ所、非常用発電設備も190カ所整備した。
道路分野では、未整備だった高規格道路約60区間を改善し、道路ネットワークのリダンダンシー(冗長性)を確保した。東九州自動車道清武JCT(宮崎市)~日南北郷IC(宮崎県日南市)間(延長19キロ)の整備は、24年8月に発生した日向灘を震源とする地震で効果を発揮。国道220号で通行止めが発生した時の迂回(うかい)路となり、代替機能を果たした。
津波や洪水時の緊急避難場所として、直轄国道の高架区間など約400カ所を整備。25年7月のカムチャツカ半島付近の地震に伴う津波警報時には、北海道厚真町で整備された避難通路を使用したことで、円滑な避難が実現した。
全国の空港ネットワークの拠点となる23空港のうち4空港で滑走路などの耐震対策を完了した。宮崎空港では、24年8月の日向灘地震発生時に未対策の誘導路で液状化被害を確認した。一方、対策済みのエプロンは被害がなく運航が継続できた。







