日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、価格転嫁のための円滑な設計変更ルールの確立やコミットメント制度の活用を促すため、コミットメント条項を導入するモデル工事の実施などを国土交通省に求める。トンネル工事などでは特殊作業員を全国から手配するケースが多い。人員確保に必要な労務費を契約額に適切に価格転嫁できるよう設計変更やインフレスライド適用時に、円滑な手続きが可能となる仕組みも要望する。
日建連は、円滑な施工の確保に関する調査を2025年11、12月に実施。会員59社を対象に24年10月~25年9月末に竣工したか施工中だった3億円以上の土木工事での状況を聞いた。1719現場の有効回答を得た。
特殊作業員を全国から手配するため、作業員宿泊費、宿舎設置など必要な経費が増加している。トンネル工事の契約書に遠隔地から来た技能者にかかる経費事項が記載されているか聞くと、全発注機関(132現場)の62%が「記載がない」と回答。発注機関別に見ると、「記載がない」と答えた割合は▽国(道路・河川)68%▽同(港湾・空港)100%▽高速道路会社16%▽機構・事業団85%▽地方自治体92%▽防衛省0%▽農林水産省100%▽民間鉄道100%▽電力会社75%-だった。日建連は、トンネル工事で一般管理費や現場管理費、共通仮設費の実態を踏まえた上での見直しを求める。
スライド条項を申請しなかった理由には全発注機関(280現場)のうち、「スライド条項に規定された受注者負担額を超えなかったため」(24%)、「協議開始から成立までに要する現場の労力が大きいため」(9%)、「発注者側に実績が無いため」(7%)が多かった。
調査結果から日建連は、労務費の行き渡りを確保する観点から、労務費については受注者のリスクとされている残工事費の1・0%負担分を適用しない運用を求める。さらに、価格転嫁のための円滑な設計変更ルールの確立やコミットメント制度の活用を促すため、コミットメント条項を導入するモデル工事を実施し、労務費の価格転嫁のための円滑な設計変更ルールの確立を訴える。







