京阪ホールディングス(HD)は12日、グループの「長期経営戦略2030」のアップデート版と、2026年度から3カ年の新中期経営計画を発表した。中之島線延伸検討や三条駅周辺プロジェクト、京都タワー周辺再整備など大型開発を推し進め、沿線価値向上を軸に成長投資を加速する。30年度の連結営業利益目標は当初設定から150億円増の580億円以上、ROE(自己資本利益率)は10%水準へ引き上げた。
新中計は30年度の利益成長に向けた「磨き上げの助走期間」に位置付ける。長期戦略期間の総投資額は3600億円で、内訳は成長投資が2500億円、維持更新投資が1100億円。このうち新中計の成長投資に1400億円を配分し、京都や大阪を中心に鉄道と不動産、観光を組み合わせた沿線開発を本格化する。平川良浩社長は会見で「京阪沿線の独自性、魅力を徹底的に磨き上げて『稼ぐ力』を強化する」と強調した。
ハード事業では、京都・東山観光の玄関口となる三条駅周辺プロジェクトを推進する。周辺の京都市所有地活用も視野に入れながら、30年度の竣工を目標にターミナル機能強化や観光拠点形成を図る方針。京都タワーはビル全体のリニューアルを検討しており、JR京都駅北側の駅前空間再編と連動した整備を見据える。
中之島線延伸では、大阪府市の夢洲アクセス検討会で九条延伸案が有力とされたことを踏まえ、26~27年度に需要調査や事業性の検討を進める。平川社長は30年秋の大阪IR開業には間に合わないとの認識も示し、「早ければ30年に着工し、その約4年後の開業になる」との見通しを語った。延伸の実現で九条駅が夢洲と神戸、奈良、京都をつなぐハブ拠点となることを見据え、「例えばオフィスといった駅周辺開発にも積極的に参画したい」と意欲を示した。
大阪IRにはグループのノウハウを生かし、会議場やホテル、ツーリズムセンターなどの施設運営などで参入を検討していく。
琵琶湖エリアでは、滋賀県と官民連携で大津港の再整備を進めるほか、船舶更新を含む水上交通事業の強化、比叡山のホテルリニューアルなどに取り組む。観光列車についても、沿線の文化施設との連携を軸に導入検討を進める。







