中国地方整備局長に1日付で就任した山本大志氏が20日、広島市中区の同局内で会見し、「国民の安全・安心の確保に向け、災害対応力の強化を最優先で進めたい」と述べた。建設業の働き方改革や生産性向上にも注力し、中東情勢の影響が続く中、「さまざまな課題に対し、共に乗り越えていくことが重要だ」と強調した。幼少期から鉄道好きで、日本や世界の地図を見るなど交通インフラへの関心が高く、「地域のために仕事ができる幸せをかみしめながら仕事をしていきたい」と話した。
災害が激甚化・頻発化する中で、「国民の生命・財産を守り、被災者を一人でも減らすことは、われわれの責務」と指摘。地方自治体では対応しきれない甚大な災害が発生すれば「国の機関として機材、人材を有する地方整備局が積極的に関与することが必要だ」とし、建設会社や学識者などとも連携して「さらなる応援体制の強化を図る」と述べた。
土砂災害リスクの低減に向け、2026年度に着手した瀬野川水系直轄砂防事業の施設整備を計画的に進めると説明。江の川では広島県を流れる上流域を特定都市河川に指定し、流域治水整備を進めるほか、島根県を流れる中下流域は河川整備とまちづくりを一体的に取り組む。旭川ダム再生は建設段階に移行する。
一方で、諸外国と比べてインフラ整備は不十分だとし、「高規格道路のミッシングリンク解消やダブルネットワーク化、広島・岡山都市圏などでの渋滞対策は非常に重要」と訴え、新規事業化した福山道路(笠岡西~長和)については「広域道路ネットワークの形成に向け、着実に事業を推進する」とした。
建設業の担い手確保に向けて、新たに若手優秀技術者表彰や省人化チャレンジなど四つのアクションプランを導入。インフラDXや最新技術も積極的に活用し、「技術力と生産性を競う健全な環境を築くための取り組みを強化する」と述べた。
中国地方の建設業は「高齢化や若年入職者の減少が全国と比べて厳しい」とも指摘。「今後も現場の生の声をきめ細かく把握し、必要な施策を導入するなど不断の改革を進める」と力を込めた。
(やまもと・たいし)1995年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、運輸省(現国土交通省)入省。中部地方整備局港湾空港部長、内閣府沖縄振興局参事官(振興第三担当)、同沖縄総合事務局開発建設部長を経て5月から現職。東京都出身、55歳。







