土木学会/CN推進へ既存規制見直しを/低炭素材料活用など、課題に実効性高い提言

2026年5月26日 行政・団体 [1面]

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 土木学会(池内幸司会長)は、2025年度の会長プロジェクトとして議論してきた「カーボンニュートラル(CN)でレジリエントな社会づくり」の提言を公表した。インフラ整備・管理の現場で把握した課題として、低炭素コンクリートや軽油代替燃料など、CNに効果的なエネルギー源や建設材料を活用する機運はあっても、「既存の基準、規制、制度がネックとなり水平展開が阻害されている」(池内会長)と指摘。実効性の高い制度・運用見直しで方向性を提示し、関係省庁に対応を求めていく考えだ。
 25日に東京・四谷の土木学会で池内会長が発表した。国土交通省や経済産業省、環境省に近く要請活動を行う予定だ。提言は水害による甚大な被害が頻発する中、土木分野で国交省などが進めてきた被害軽減の「適応策」だけでなく、気候変動の「緩和策」を充実させる狙いがある。
 CNを推進する土木分野の取り組みを▽再生可能エネルギーなどの供給・貯蔵・利用▽エネルギー利用の効率化・省エネ▽インフラの整備・維持管理・更新▽二酸化炭素(CO2)の吸収▽災害時のレジリエンス強化につながるCNの取り組み-の五つの観点で整理。その全体像を見える化し、社会に発信する。
 水力発電は長期で安価な電力供給が可能など、他のエネルギー源に対し優位性が高い面がある。国のFIT(固定価格買い取り)制度の期間以上に長期の運用が可能な点を考慮し、初期投資を軽減する支援策を提言。環境影響評価(環境アセス)手続きの短縮など、関連する許認可手続きの簡素化も求める。
 軽油代替燃料は建設機械に用いる際にメーカーの保証外となるケースが多く、保証制度の充実が必要だと指摘した。
 低炭素型コンクリートや中温化アスファルト混合物といった低炭素材料は、公共工事の発注で評価手法が未整備と問題点を挙げた。入札時の加点評価制度の拡充を求める。さらに実現場でのパイロット事業で安全性や耐久性の実証データを積み上げ、評価の暫定基準から恒久基準へと段階的に整備していく流れを提示。工事費用が適正に評価できるよう、環境価値を工事価格に反映できる仕組みの構築を提案する。