福岡県は5月30日、福岡市中央区の大濠公園南側に移転建て替えする新県立美術館の起工式を現地で開いた。「公園と一体となった美術館」などをコンセプトに、隣接する日本庭園を最大限に保全し活用する。2029年5月の完成、同年度の開館を目指す。建設地は大濠1の1の1ほか。規模はS一部RC造地下1階地上4階建て延べ2万1900平方メートル。建築工事は鹿島・松本組・松尾組JV、電気工事はクラフティア・平和電興・島田電気商会JV、機械工事は三建設備工業・JR九州エンジニアリングJVが担当。
式には、鹿島の押味至一代表取締役会長兼社長、松本組の松本優三社長、松尾組の松尾浩嗣社長らが出席。服部誠太郎知事は「単なる展示施設ではなく、この街に新たな風景をもたらし人の流れ、交流を生み出す結節点となる。日本、世界に誇れる存在となることを目指し、皆さんと共に成長させていきたい」と式辞を述べた。
設計担当の隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾代表は「緑と一体となったこのような環境はほかにない。地域の人たちにとって新しいリビングルームのような場所として楽しんでもらえるのではないか」と述べた。引き続き関係者と近隣の小学校、高校の代表が鍬入れを行った。
建物は1階に4室の県民ギャラリー、多目的ルーム、キッズスペース、レストラン、ミュージアムショップを配置。2階にコレクション展示室や収蔵庫、3階に美術資料室やライブラリーカフェ、屋上広場を設ける。2階以上は高潮による洪水時も浸水しない床レベルを目指す。
地下は駐車場や設備機械室、4階は機械室などを配置。環境への配慮として、機械室上部に太陽光パネルを設置するなどして、ZEB Oriented以上の省エネルギー性能を確保する。建物の中心にあり東西に延びる吹き抜け空間の「メディアヴォイド」と、南の国体道路側の街と北側の大濠公園側をつなぐ通路である「アーバンスリット」も設ける。
坂本亘弘所長(鹿島)の話
「近隣の方々の安全確保を優先し、作業員の働き方についても十分考慮しながら工事を進めていきたい」。






