東京都文京区の小石川エリアにはさまざまな顔がある。東京ドームに代表される国内有数の娯楽施設と日本庭園である小石川後楽園が隣接。江戸時代に武家屋敷が多く置かれていた歴史が色濃く残り、趣のある街並みが広がる▼「製本の街」としても有名だ。業界大手の印刷会社があり、多くの印刷会社が立ち並ぶ。カタカタカタ…。あちこちから聞こえてくる機械の音は、非常に心地よいリズムでいつまでも耳に残る▼出版社に勤めていた前職の職場が小石川エリアにあり、久しぶりに街を歩いてみた。すると地域で長年営まれてきた家族経営の書店が7月末に閉店することを偶然知った。一見何の変哲もない書店だが、たまに訪れると住民と店員がよく雑談している姿を見かけ、小欄もなぜかほっとする気持ちになった▼デジタルやネット通販の普及で紙の苦境は続いている。日本出版インフラセンターの調査によると、書店数は2025年度末時点で1万店を割りピーク時の4割余りに減少した▼大型化やカフェの併設などに活路を見いだす書店。それでも地域の人たちの居場所として小さな街の書店が果たす役割は大きい。








