東洋建設、CCTの50年・1/現地化で築いた半世紀の信頼

2026年8月24日 企業・経営 [1面]

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 ◇顧客、従業員満足度ナンバーワンへ
 東洋建設の海外現地法人でフィリピンに拠点を置く「CCTコンストラクターズ・コーポレーション(CCT)」が設立50周年を迎えた。7月にマニラ近郊のホテルで開かれた記念式典で、社長の二木要氏は、招待客や従業員を前に「フィリピンでナンバーワンの建設会社になる」と宣言した。東洋建設、そしてCCTはどのように現地に根付き、成長を遂げたのか--。半世紀の歩みを踏まえ、次の50年に向けた「ナンバーワン」への航路を展望する。
 (編集部・漆舘卓海)
 東洋建設と同国のつながりは、1973年5月のマニラ営業所開設に始まる。最初の案件はマニラ近郊のナボタス漁港整備だった。二木氏は当時の現場を「殺伐として非常に危険だった」と伝え聞く。CCTは76年7月、同国建設大手のフィリピン建設開発公社(現フィリピン国営建設公社)とC&A建設、東洋建設の3社合弁で設立した。
 以降は、大きく分けて政府開発援助(ODA)の土木を東洋建設マニラ営業所、民間建築をCCTが担う形で、協力してプロジェクトを推進。オイルショックやアジア通貨危機などの困難を乗り越え、施工実績を重ねた。マニラ首都圏のマカティ市にある両社のオフィスは同じフロアにあり、技術的に打ち合わせができる環境を整えている。
 CCTがこれまで手掛けた案件は300件を超える。マニラ中心部から車で約1時間のファーストフィリピン工業団地(バタンガス州)南部にはCCTが施工した工場が立ち並ぶ一角があり、地元からの同社に対する信頼を象徴している。
 記念式典で語った「ナンバーワン」の意味について、二木氏は「単なる売上高や規模の順位ではなく、顧客満足度、従業員満足度で1位になることだ」と真意を明かす。式典ではCCTとして初めて永年勤続者を表彰し、30年以上勤める社員8人をねぎらった。同国では転職を繰り返す「ジョブホッピング」が珍しくない。だが、CCTには勤続10年を超えるベテランが数多い。
 理由の一つが業務の「現地化」だ。同社は現地職員326人(4月末時点)に対し、日本人職員は16人とごく少数だ。日本での研修などで人材を育成し、工事に関連する権限はできるだけ現地に委譲してきた。「フィリピン人の『ボス』が管理し、日本人職員が支える組織が確立できている」と、二木氏は強靱な経営体制に胸を張る。
 待遇改善、正確な勤怠管理による働き方改革にも常に前向きな姿勢だ。2020年、コロナ禍で数カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)が実施された時には、業務がない日を無給にするゼネコンもあった。しかし、CCTは従業員の生活を守るため、給与を満額支給し続けた。
 式典の最後に、CCT会長の中澤裕樹氏(東洋建設執行役員)は「50年という節目を迎えられたのは、多くの皆さまの支えがあってこそだ」と感謝を強調し、信頼の歴史を将来へつなぐ決意を示した。
 (次回から3面に掲載)