鹿島は、AIで機械やロボットを動かす「フィジカルAI」を使った完全自律移動ロボットを建設現場に本格導入した。ロボットは360度カメラや、周囲の形状を精緻に捉えるライダーを搭載。現場の巡回や撮影、計測など施工管理業務の一部を代替する。災害復旧現場への投入で迅速な初動対応も実現。ロボット代替で現場の安全対策をより充実する。
ロボットは、米FieldAI(カリフォルニア州、アリ・アガ最高経営責任者〈CEO〉)が開発した。360度カメラ、ライダーで周辺環境を把握し、取得した映像や3D点群データを「エッジAIデバイス」で瞬時に処理。安全に移動できる方向をロボットが即時判断する。
GNSS(全球測位衛星システム)が利用できない屋内、地下空間など外部通信が難しい環境でも、ロボットによる自律的な探索・巡回が実現できる。警備業務の補完、安全が確認できていない災害現場の初動対応で活用を目指す。
現場を巡回中に異常を検知した場合、高輝度LEDの点滅、音声で周囲に知らせる。撮影映像はリアルタイムで現場担当者と共有する。地震や豪雨などで災害現場にロボットを送り込めば、写真や3D点群データが安全に素早く取得でき、迅速な対応決定につながる。写真データ、点群計測から寸法なども把握可能で、通常の現場管理の効率化にも生かせる。
鹿島はフィジカルAIへの注目が高まる前の2023年から、FieldAIとの協働を始めた。複数種類の汎用(はんよう)ロボットを使い、さまざまな用途や現場で通算2000回を超える自律巡回を実施した。両社は25年に協力強化の契約を結び、約1年間で国内10カ所以上の現場にロボットを展開。技術改良に取り組んできた。










