BIMの課題と可能性

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BIMの課題と可能性・153/樋口一希/コマツのICT建機とCIM・1  [2017年3月2日]

ICTブルドーザー3次元施工データ (技術論文「建機メーカーが描くICT建機施工を中心とした建設現場の未来」)

 コマツの建設機械のICT化の現況を端緒にして、BIMからCIM(Construction Information Modeling)へと視界を広げ、国土交通省が進めるi-Constructionの実際も合わせて検証する。


 □土木建設業にICTを入れてガラガラと撹拌し製造業の第4次革命に匹敵する変化を起こす□


 ゼネコン取材時に、メディアで喧しいIoT(Internet of Things)が話題になった。遠方のファブリケータから鉄骨部材を受け取ることも多いがダンプは空のまま帰る。膨大なロスの垂れ流しだ。鉄骨部材にICタグを付けてIoT+ロジスティクスで物流を制御し、他業種の物流システムと業界横断的に連携すれば帰路の荷物満載も夢ではない。

 相乗りサービス「Uber」のダンプ版も登場するかもしれないと考えていた矢先に、日本経済新聞電子版(1月25日)が「コマツ、ダンプの配車サービス 建設会社向け3年以内に」と報じた。ダンプ運転手のスマホに専用アプリをインストールすれば位置情報が得られる。仕事量に対応して必要なダンプ台数なども正確かつ臨機応変に把握できるから、ダンプ業者と建設会社双方にとってもメリット大のはずだ。

 タクシー業界がそうであるように、既存の土木・建設業のままでの受け入れには困難が伴うだろう。一方で、これらの動きは単発ではなく、国交省が進めるi-Constructionの加速化の中で起こっているのを認識すべきだ。


 □「調査・測量・設計・施工・検査」プロセスの3次元化の中心に位置付けられるICT建機□


 国交省では、16年3月30日付で「i-Constructionで建設現場が変わります! 新たに導入する15の基準及び積算基準について」(※)を発表し、同4月1日から「ICT土工」を実施するとした。

 最も特筆できるのは、「土工における調査・測量、設計、施工、検査のプロセスにおいて、現在の紙図面を前提とした基準類を変更し、3次元データによる15の新基準を平成28年4月より導入」と2次元(図面)から3次元(モデル)への移行を宣言し、それを実現するための15の基準を明らかにしたことだ。

 図のように、測量では、ドローンの空撮写真を基に、高密度な3次元測量を行い、地形の3次元モデルを作成する。現況の地形のモデルと設計のモデルとは3次元的に比較、照合され、切り土量や盛り土量を自動算出する。それらデータを基に3次元制御+ガイダンス機能を搭載したICT建設機械が(全・半自動も含めて)施工する。

 合わせて「ICT土工の活用に必要な経費を計上するための新たな積算基準を導入」も画期的だ。これによってICT建設機械のリース料、初期導入経費が積算基準で計上され、i-Constructionを実施する実効的な原資が確保できたからだ。

 ※出典:国土交通省(http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo15_hh_000150.htm)

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)

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