BIMの課題と可能性
BIMの課題と可能性・184/樋口一希/野村不がビューアー運用開始・2 [2017年6月27日]
日本マイクロソフトのホログラフィックコンピュータ「HoloLens」を活用した野村不動産の新築マンション販売向けビューアー「ホログラフィック・マンションビューアー」の主要機能「リアルサイトビューアー」「ホログラフィック外観ビューアー」についても概説する。
□建築の専門性を開く有力な回答としての「ホログラフィック・マンションビューアー」□
マンションは高価な商品であるにもかかわらず、ユーザーは、完成後の姿を主にパンフレットや専用サイトなどで確認し、購入判断していた。本稿第79~80回で報告した長谷工コーポレーションでは、BIMの3次元建物モデルを転用していたが、多くの場合、テンポラリーな販売物件のためだけにコストのかかる3次元パースは作成できない。
一方で16年10月末には、リコーの360度カメラシリーズ「RICOH THETA」シリーズが発売、各方面から注目され、不動産検索ポータルの中には、360度全天球画像や動画を掲載するサービスを始めたサイトも出現した。3次元建物モデルを用いて建築の専門性をユーザーに開く環境が整いつつある中で、現状へのひとつの有力な回答として「ホログラフィック・マンションビューアー」が登場した。
□ディスプレイという閉じた空間から現実世界へ活躍の場を広げていく建築のデジタル情報□
「ホログラフィック・マンションビューアー」では、ヘッドマウント型のホログラフィックコンピュータ「HoloLens」を用いることで、目の前の現実空間の中に3次元の仮想物「ホログラフィック」を重ねて表示させ、現実空間と仮想空間を融合、複合させて複合現実(MR:Mixed Reality)を実現する。
「リアルサイトビューアー」機能は、現実空間=建設予定地を視認すると同時に、3次元の仮想物「ホログラフィック」=建物の完成イメージを原寸大で複合させる。「ホログラフィック外観ビューアー」機能は、マンションの外観模型を3次元の仮想物「ホログラフィック」として「HoloLens」越しに構築、表示する。
本稿第170回「建築分野向けAR/VR」の「GyroEye」。インフォマティクスは、6月7日、東京大学の施工現場において1分の1の図面を実寸投影する実証実験を行った。
BIMソフトなどで構築された3次元建物モデルは、ディスプレイという閉じた空間を飛び出し、今後とも、本事例のようなマンションの販売予定地や施工現場など現実世界へと活躍の場を広げていく。
野村不動産では、「ホログラフィック・マンションビューアー」の初運用物件となる7月販売予定の「プラウドシティ越中島」(東京都江東区、305戸)にマンションギャラリーを設け、マンション共用部の規模や眺望などを体感できる「VRシステム」や「IoT家電」などの最新機器を設置する予定だ。
〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)
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