BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・2/樋口一希/VRアーキテクツシステム  [2017年7月13日]

フィジカルな歩き回る感覚を味わうために実写に近い精度を実現した室内空間表現

空気感まで伝わってくる微妙な陰影表現も実現可

ヘッドマウントディスプレイ装着時 (出典:FREEDOM PR局発行ニュースリリース、6月23日)

 比較的、安価に運用でき、効果も見えやすいことなどからVR(Virtual Reality)技術が建築の現業に急速に浸透しつつある。フリーダムアーキテクツデザイン(東京都中央区)がスター・マイカ(東京都港区)の定額制リノベーションプラン「じぶんReno」向けに6月から提供を開始した「VRアーキテクツシステム」を概説する。


 □設計実務や顧客プレゼンテーションに自社内運用でメリット大のVR技術を集約して公開□


 独立系の建築設計事務所であるフリーダムアーキテクツデザインは、前稿「BIMの課題と可能性」の第131~133、177回で報告したように、BIMデータでの建築確認申請手続きの実用化など、BIMソフト「REVIT」を積極的に運用している。BIMの3次元建物モデルを基に、設計実務や顧客プレゼンテーションに用いていたVR技術を「VRアーキテクツシステム」として集約し公開した。VRアーキテクツシステムは、BIMソフト「REVIT」、クラウドサービス「Autodesk LIVE」、3Dゲームエンジン「Autodesk Stingray」、VRヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」から構成される。

 設計段階でのBIMソフトによる3次元建物モデルをVRヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」と連携させることで、完成後の室内を「自由に動き回れる体験」が可能となり、2次元図面やディスプレイ内の3次元パースでは分かりにくい奥行き感や天井高、家具のレイアウトまでを具体的に確認できる。


 □室内を歩き回るフィジカルな体験を通してVR技術では「リアルな生活感」も実感できる□


 スター・マイカは、中古マンション市場を中心にリノベーションマンションの供給を行っている。「じぶんReno」は、オリジナルなマンション在庫を強みとした未公開物件紹介サービス、定額制リノベーションプラン、VR体験サービス、コンシェルジュサービスから構成され、物件探しから入居・引き渡しまでをトータルでサポートする。

 フリーダムアーキテクツデザインでは、VRアーキテクツシステム採用の「VR体験スタジオ」の開設からモデルプランのVRコンテンツ作成など、技術供与全般を支援した。リノベーション実施後のVR空間の実際は、スター・マイカ本社内の「VR体験スタジオ」で体験できる。

 リノベーションをキーコンセプトに競争が激化している中古マンション市場。競合他社との差別化にVR技術は効果大だ。

 VR技術では、顧客自身が室内を歩き回るという「原寸感覚」のフィジカルな体験を通して「リアルな生活感」ともいえる感覚も実感できる。極論すれば、建築という専門性が、初めて一挙に、一般の市場に開かれた瞬間に立ち会っているともいえよう。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)

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