BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・11/樋口一希/清水建設の次世代型生産システム・3  [2017年8月17日]

資材自動搬送ロボット「Robo-Carrier」

多能工ロボット「Robo-Buddy」

柱溶接ロボット「Robo-Welder」

 BIMを中核とする情報化施工により、AIやIoTといった最先端技術を搭載した複数の自律型ロボットと人が協働で工事を進める清水建設の次世代型生産システム「シミズ スマート サイト」。BIMデータ連携で稼動する主役のロボットについて報告する。


 □所定位置で1本の柱に対してロボット2台が対になって作業員不要で完全自動溶接を行う□


 柱溶接ロボット「Robo-Welder」は、大阪大学大学院工学研究科の浅井知教授と共同開発している。

 専用の走行台車上にセットしたロボットを所定の位置まで誘導すると、1本の柱に対してロボット2台が対になって作業員不要で完全自動溶接を行う。

 ロボット本体のレーザー形状計測によって溶接部位の溝の形状を認識可能。6軸で稼動するロボットアーム先端のトーチにより、対象とする溝を溶接材料で的確に埋めていく条件をリアルタイムに決定している。今後は、溶接済みの部位の品質を同じくリアルタイムに非接触検査できるシステムも導入する予定。製造委託先は愛知産業で、すでに3現場への適用が決まっている。


 □レーザーセンサーとBIMデータの照合で自律的に所在位置を認識して天井・床材を施工□


 天井や床材を施工する双腕の多能工ロボット「Robo-Buddy」は、SLAM機能(※)でレーザーセンサーとBIMデータの照合により自律的に所在位置を認識、指示された作業場所まで自動で移動でき、20センチまでの段差は乗り越えることが可能だ。2台のロボットアームは6軸で自由に稼働し、30キログラムの資材まで保持でき、自動走行台車の昇降式台座上を移動。画像センサーとレーザーセンサーで施工部位を認識した上で、2本のロボットアームを駆使しながら天井つるしボルトのインサートへの挿入、下地材の組み立て、天井ボードの取り付け、ビス留め、OAフロアの台座・パネルの設置などを行う。

 製造委託先は東洋鐵工所で、開発にはアットロボティクスの協力を得た。関西の高層ビルが初の適用現場だ。

 ※SLAM(Simultaneous Localization and Mapping=スラム):自己位置推定と環境地図作成を同時に行うこと。


 □レーザーセンサーとBIMデータの照合で所在位置を認識して作業場所まで資材を自動搬送□


 資材を自動搬送する「Robo-Carrier」は、レーザーセンサーとBIMデータの照合で自らの所在位置を認識し、現場搬入された資材を「Robo-Buddy」の作業場所まで自動搬送する。

 障害物があると搬送ルートを自動的に再検索・修正する機能も備え、水平搬送役を担う「Robo-Carrier」を中核とする4種類のロボットがシステムを構成し、統合管理システムの指示で連携しながら稼働する。11月から都内の現場で稼働する予定だ。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)

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