BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・14/樋口一希/日立建機の現場向けアプリ  [2017年8月29日]

IoTによる「つながる現場化」のイメージ

プロトタイプによる顧客への説明シーン

 日立建機(東京都台東区)では、建設業の施工現場における生産性向上や安全性確保を目的にクラウドソリューション「Solution Linkage Cloud」のアプリケーション「Solution Linkage Mobile」を開発した。

 

□スマホなどモバイル端末活用で施工現場を「IoT化」「見える化」「つながる現場化」□


 「BIMの課題と可能性」第153~155回「コマツのICT建機とCIM」と同様、建設業の施工現場のデジタル化とIoT(Internet of Things)技術の進展が同期した今日的な動きだ。

 「Mobile」と明示されているように、施工現場をスマートフォンなどのモバイル端末を活用することで「IoT化」し、適正な進捗管理による施工現場の「見える化」、機械と人との接近検知の機能による「つながる現場化」を実現する。更なる機能の追加や使いやすさの向上を図り、18年4月より、国内向けに提供を開始する予定。

※商標注記:「Solution Linkage」は、日立建機によって商標登録出願中。

 

□「Global e-Service」「ConSite」などのソリューションとの連携で更なる利便性の向上を追求□


 開発に際しては、従来から積極的にICT施工へ取り組んでいる堀口組(北海道留萌市)に、日立グループが推進する顧客協創プロセスへの全面的な協力を仰ぎ、施工現場の実態把握から実際の施工現場での運用検証に至るまで、顧客目線での課題やその課題に応えるアイデアを基に、アプリケーションの基本構想を固めていった。

 日立建機では、今後もさまざまな顧客との協創活動を通じて、顧客の課題解決につながる機能追加や使いやすさ向上を図るとともに、建設機械の稼働状況などのビッグデータを蓄積する「Global e-Service」およびサービスソリューション「ConSite(コンサイト)」などのソリューションとも連携することで顧客の利便性向上を図っていく。

 

□建設業においても生き残りの機先を制するのはハードウエアでなくソフトウエアとなった□


 「Solution Linkage Mobile」では、施工現場で自律的に稼働する建設機械やダンプトラックと現場作業員の位置情報をスマートフォンなどのモバイル端末からクラウドに転送して地図上に表示=「見える化」するとともに、リアルタイムでダンプトラックの運搬回数や搬出土量を把握することでより適正な進捗管理や台数増減を可能にする。さらにクラウド内の位置情報を基に、現場作業員が建設機械やダンプトラックと接近した際には、モバイル端末で運転手と現場作業員に瞬時に通知し、IoTによる「つながる現場化」による安全対策を講じている。

 20年には条件付きながら商用自動車の自動運転が始まる。自動車産業においても、すでに生き残りの機先を制するのはソフトウエアとなった。製造業に比べてデジタル化が遅れていた建設業においても同様のことが言える。今後は、本事例のように、関連業界といかにして協創、協働し、デジタル化において状況を先んじるかが問われている。(毎週火・木曜日掲載)

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