論説・コラム

回転窓/より良いルールにするために [2015年2月20日1面]

 「趣旨は理解できるが不安もある」「人事のローテーションもあり、ノウハウが蓄積されにくい」「財政上の制約もある」…▼改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく発注事務が4月から本格運用されるのを前に、地方自治体からそんな声が出ている。発注者の共通ルールとして作成された「運用指針」を浸透させるのは、思った以上に大変そうだ▼国土交通省が、自治体の職員を対象に運用指針を周知するための説明会を各...続きを読む

回転窓/インフラとコミュニティー [2015年2月19日1面]

 神戸市のとある公園では、決まった休日にリヤカーが登場し若者が寄ってくる。お目当ては掃除道具。ダンス練習などに集まる若者らが自主的に清掃を行うための道具だ▼舞台は、阪神大震災の復興記念公園として整備された「みなとのもり公園」。構想段階から運営に至るまで市民が参画し、「自分たちに何ができるか」を考えた。答えの一つが清掃だった▼東日本大震災で防災集団移転促進事業が実施された玉浦西地区(宮城県岩沼市)の...続きを読む

回転窓/未来の記念碑に [2015年2月18日1面]

 街を歩いている時に記念碑を見つけると、急いでいてもつい足を止めてしまう。その土地の歴史やゆかりの人などが分かり、ほんの少し非日常感を味わえるのがいい▼先日も東京・八重洲(中央区)で、ある碑に出会えた。江戸時代にオランダから来航したヤン・ヨーステンの記念碑がそれ。JR東京駅から300メートルほど離れた八重洲通りの中央分離帯に1989年、日蘭修好380周年を記念して設置された▼1600年、ヨーステン...続きを読む

回転窓/付加価値の意味 [2015年2月17日1面]

 世界を股に掛けて活躍する日本人がスポーツ界を中心に多くなっている。その代表格がテニスの錦織圭選手だろうか。今週も米テネシー州で開かれたトーナメントで優勝を飾った▼錦織選手を見て感心するのは、体格で勝る外国人選手を向こうに回し、一歩も引かないテニスをやり通せるところ。中学生のころから単身米国に渡り、プロになるためのトレーニングを積んだ。かつて日本人選手が拭いたくても拭えなかった「内弁慶」という言葉...続きを読む

回転窓/幸福感の定量化 [2015年2月16日1面]

 太宰治に「家庭の幸福」という短編がある。自死する前に書いたいわば遺書のような小説だ。敗戦後の日本が、米国流の民主主義をためらいもなく実践することと、男に捨てられた女が玉川上水に飛び込むことが描かれている▼自分の死に場所をあらかじめ小説に書くというのはいかにも太宰らしいが、この小説にはもう一つの主題がある。米国流の「家庭の幸福」こそが「幸福感」の源という考え方への嫌悪である▼太宰は、昨日まで敵だっ...続きを読む

回転窓/コンビニでちょっと一杯 [2015年2月13日1面]

 「角打ち」と書いて「かくうち」。関東では酒屋で酒を買って店内で飲むことをこう呼ぶ。かつて一合升の角に口を当てて酒を飲んだことに由来するらしい▼角打ちを認めている酒屋には簡素な机やカウンターがある。つまみは店で売っている乾き物や缶詰。給料前の懐具合の寂しいサラリーマンにはありがたい。狭い店内で見知らぬ者同士が親しく話せるところにも魅力がある▼サラリーマンの多い東京の新橋や神田の路地を歩くと、今も角...続きを読む

回転窓/断ることの難しさ [2015年2月12日1面]

 小学校で担任の先生に「先輩や友達からたばこを勧められたらどうやって断りますか?」と質問されたクラスの一人が答えた。「体に悪いので吸わない」。小学6年生に道徳を教える授業でのやり取りである▼たばこを吸い始めた理由の上位にあるのが「勧められたから」。その誘いを子どもが断るのは、大人が想像している以上に大変であろう。対処方法を考える授業の意義は大きい▼小中学校で道徳が正式教科になるという。文部科学省は...続きを読む

回転窓/梅の咲かない春 [2015年2月10日1面]

 立春を過ぎ、梅の花の季節を目前にして気になるニュースがきのうの本紙に載っていた▼東京の西の郊外、青梅市はその名の通り梅の名所として知られる。ここの梅林で果実を駄目にするウイルスの感染が広がり、公園にあった1200本もの梅の木がすべて伐採されたという。感染拡大を食い止めるには木を根こそぎにするしかないそうで、はげ山と化した公園の写真が痛々しかった▼伐採作業に当たったのが地元の造園会社と聞き、鳥イン...続きを読む

回転窓/みなみらんぼうさんと東日本大震災 [2015年2月9日1面]

 NHKの「みんなのうた」は、5分間の音楽番組として1961年にスタート。これまでに1300曲以上が放送された。「北風小僧の寒太郎」「ちいさい秋みつけた」「森の熊さん」…▼年代によって違えど、誰しも心に残っている歌があるのでは。この番組からヒットした歌も少なくない。「山口さんちのツトム君」もその1曲。作詞・作曲者のみなみらんぼうさんにインタビューをする機会を得た▼みなみさんの出身地は東日本大震災の...続きを読む

回転窓/「中小企業団体の歌」に思う [2015年2月6日1面]

 毎年取材する専門工事業団体の新春賀詞交歓会。冒頭の君が代に続き「中小企業団体の歌」を出席者全員で歌うのが恒例になっている。〈♪国の礎中小企業/精神(こころ)は一つ団結の~〉。高原泰助氏がつづった歌詞を、作曲家・飯田信夫氏の軽快なメロディーに乗せて歌う▼「相互扶助」の精神を発揮し、組合の使命や理想の実現に向けて共に活動する様子を表現したこの曲。高い志を抱いて中小企業者が団結するよう鼓舞する内容にな...続きを読む

回転窓/中間貯蔵施設への道のり [2015年2月5日1面]

 福島第1原発事故に伴う除染で発生した汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に向けた工事が3日、福島県双葉、大熊両町で始まった。2カ所の保管場を先行整備する事業で、震災から4年となる3月11日までの搬入開始を目指すという▼汚染土などは、各地に分散して仮置きされたまま。対応が急務であることは誰もが認識しているが、地権者や住民の理解を得るのは難しい。「元の故郷を返してほしい」「できるならば帰りたい」。...続きを読む

回転窓/一冊の本をめぐる逡巡 [2015年2月4日1面]

 仕事帰りによく立ち寄る書店でこのところ、ある本を買おうか買うまいか逡巡(しゅんじゅん)している。大量に平積みされたのを一冊手に取って中をぱらぱら。レジに行き掛けてはまた戻り…▼その本とは、昨年来話題のベストセラー、トマ・ピケティ著『21世紀の資本』(みすず書房刊)。既に13万部が売れ、先週にはフランスから著者が来日。講演などをしてニュースになった▼ベストセラーに安易に手を出す軽薄も嫌だが、書店で...続きを読む

回転窓/豆のぶつけられ役は [2015年2月3日1面]

 きょう3日は節分。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまく方も多かろう。立春の前日に行われる節分の豆まきは800年代後半、宇多天皇の時代に始まったともいわれる▼お払いをした豆をぶつけて邪気を払い、一年の無病息災を願うという意味がある。鬼にとっては迷惑な話だが、豆まきをすると何だか良いことがありそうな気になるから不思議である▼一家の家長や年男が豆をまいて鬼を追い払うのが本来の姿とされるが、最近は...続きを読む

回転窓/公共事業と教育 [2015年2月2日1面]

 先週末、都内で雪が舞った。この時期に雪が降ると、ふと受験生たちのことが気に掛かる。試験会場に時間通りに間に合っただろうか、と▼受験シーズン真っ盛り。先月行われた大学入試センター試験は約56万人が受験。学習指導要領の改定で、学習範囲が広い新課程を学んだ生徒と、旧課程の生徒が混在して挑んだ。理科と数学では両課程用に二つ問題が用意され、試験後に得点調整を行って公平性を期したというが、国の教育方針の変更...続きを読む

回転窓/レトロな街の知恵と工夫 [2015年1月30日1面]

 東京・西荻窪の街は近年、古美術や古道具の店が集まる都内有数の骨董街として知られる。その数60店を超え、お宝目当てに訪れる人が絶えない。30年ほど前には数軒の骨董屋しかなかったが、店主らが同業者に呼び掛け、出店の世話までしたのが骨董街形成の始まりらしい▼西荻窪は繁華街・吉祥寺の隣だが、JR西荻窪駅周辺には細い路地と木造長屋の古い飲食店街が残る。開発の波には取り残されたが、こうした昭和の面影と骨董の...続きを読む
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