論説・コラム

回転窓/大規模修繕と断捨離 [2021年6月29日1面]

 住んでいる自宅マンションが大規模修繕に入り、仮設足場を組む作業が連日行われている。理事会のメンバーとして昨年、計画立案や工事の発注手続きに携わった▼勤務先が建設関係の専門紙ということは決して口にせず、可能な限り黙っていたのは面倒ごとに巻き込まれたくないという思いがあったから。住戸数が100戸を少し超える規模のマンションでも、計画を練り上げる過程では意見の食い違いなどで説明会が紛糾することもしばし...続きを読む

回転窓/長い髪の善意 [2021年6月28日1面]

 町内会の女性グループがそろって髪を切った。病気やけがで髪が必要な人のために無償で提供するヘアドネーションと聞いた▼JISに適合するよう31センチ以上を求める団体があり、腰の上くらいまであったのを首が見えるほどにばっさり切った女性がいる。息子が幼稚園のころから小学4年になるまで切っていなかったり、帰宅途中の夫に見ず知らずの人と思われたりした女性もいる。傘をさして小学校に向かった子供たちを朝見送って...続きを読む

回転窓/現実的な未来 [2021年6月25日1面]

 新型コロナウイルスの影響で地方にある実家に行きにくくなったと知人から聞いた。家や庭を手入れしたいが近所の目もあり、やむを得ない場合以外は帰省を自粛しているそうだ▼独居の親が入院してしまい誰も住んでいないが、一時帰宅もあるため手放すわけにはいかない。ただ、手入れする人間がいるだけ好条件かもしれない。後継者がいなくなり荒れ果てた家屋は全国に数多く存在する▼人口減少下での適切な国土管理の在り方を示す「...続きを読む

隈研吾氏デザインの公共トイレ/渋谷区内に登場/日本財団プロジェクト [2021年6月25日1面]

 建築家の隈研吾氏がデザインした公衆トイレが24日、東京都渋谷区内に完成した=写真。誰もが快適に使える公衆トイレを設置する日本財団(東京都港区、笹川陽平会長)のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環。吉野杉で囲った外壁が特徴で、集落のようなトイレの村をイメージし木で覆われた五つの小屋を並べた。
 隈氏が手掛けたトイレは鍋島松濤公園(松濤2の10の7)内にある。着替えなどさまざまな...続きを読む

回転窓/暮らしの豊かさ [2021年6月24日1面]

 東京・上野動物園で飼育されている雌のジャイアントパンダ「シンシン」が赤ちゃん2頭を出産した。梅雨空のように気が晴れない日々が続く中、双子のパンダ誕生に心を和ませた方も多かろう▼繁殖の難しさで知られるパンダ。発情期は年に1度、数日間しかなく、タイミングを計るのも難しい。お見合いさせてもうまくいく確率はかなり低いようだ。体重が100グラムそこそこの小さな赤ちゃん。1頭はシンシンが世話をし、もう1頭は...続きを読む

回転窓/アジサイとワクチン [2021年6月23日1面]

 梅雨に入り雨続きの季節が本番を迎えた。この時期の花の代表格と言えばなんと言ってもアジサイ。あでやかな花の色はもやもや気分を少し晴れやかにしてくれる▼いまや世界各地で栽培されているアジサイだが、原産地は日本。鎖国時代に来日していたドイツ人医師、シーボルトが世界に広めたという。欧州では「東洋のバラ」と呼ばれ人気も高い▼日本では山中や寺の庭先などにひっそりと咲くイメージがあり、どこか哀愁を感じさせる。...続きを読む

回転窓/便利で手放せない。けれども [2021年6月22日1面]

 2000年代半ばに普及し始めたスマートフォン。元祖は諸説あるけれども米アップルが07年に「iPhone」を発売したことをきっかけに、携帯電話はスマホ時代に入ったといえる▼今や通話よりもアプリを使ってゲームをしたり動画を見たりする方が多くなっているのでは。通勤電車で周囲を見渡すと、ほとんどの人が小さな画面に視線を落としているという光景も▼便利で手放せないツールなのだが、いったん不具合が起きると、ど...続きを読む

回転窓/ウッドショックをチャンスに [2021年6月21日1面]

 新型コロナウイルスの影響が多方面に広がっている。「木材価格」もその一つ。輸入材が手に入らず価格が高騰し、“オイルショック”ならぬ“ウッドショック”が起きている▼住宅ローン金利の低下やテレワークの浸透で拡大した米国の住宅需要なども背景にあるようだ。国際的なコンテナ不足なども重なり木材の供給網が停滞。需給逼迫(ひっぱく)に拍車を掛けている▼国土交通省が行った5月の主要建設資材需給・価格動向調査の結果...続きを読む

回転窓/現場を読み解いた先人 [2021年6月18日1面]

 河川工学者の高橋裕東京大学名誉教授が94歳で亡くなった。流域管理による総合治水対策や環境への配慮、住民との対話などを提唱し、河川事業の在り方に影響を与えた▼現場第一主義で、カスリーン台風以降、水害被災地を丹念に回ったそうだ。「研究室にこもっていたら駄目だ。川を見ないと始まらない」と記者にも熱く語っていた。河川のみならず、植生や人々の暮らしにもまなざしを向けた▼建設分野ではDX(デジタルトランスフ...続きを読む

回転窓/公営競技の今昔 [2021年6月17日1面]

 最近の競馬や競艇などのテレビCMを見ていると、人気俳優らを起用して幅広い層に競技の魅力を発信している。ファン拡大と合わせ、競技者の確保・育成の狙いもあるのだろう▼競輪やオートレースも含めひと昔前の公営競技は中高年を中心に一部の層が楽しむ、閉じられた世界だったように思う。賭け事に対するマイナスイメージも近寄り難さを助長していた▼刑法上の違法性は特別法で阻却している。特殊法人の日本中央競馬会(JRA...続きを読む

回転窓/家康と日比谷入江 [2021年6月16日1面]

 徳川家康が豊臣秀吉から江戸への転封を命じられたのは1590年。この命令に家康の家臣たちは激高した。家臣らが江戸で目にしたのは見渡す限りヨシ原の湿地帯と崩れかけた江戸城郭。荒涼とした風景に将来の希望を見いだすことができなかったからだ▼だが家康の考えは違った。関東一帯を歩き回るうちに、ある「宝物」を見つけたと、竹村公太郎氏は著書『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP文庫)で推測する。湿地帯の下に隠...続きを読む

回転窓/鳥の餌と執念の関係 [2021年6月15日1面]

 ○○さん、お帰りになる前に少しお時間いいですか? 4月に受けた会社の健康診断で突然声を掛けられた。理由は前回受けた健康診断の結果と比べて体重や血圧に大きな変動があったから▼コロナ禍のせいではないがここ1年で「体が重くなったなあ」と、ことあるたびに思っていた。体重計に乗る習慣はなかったが、それでも心の中ではダイエットしなきゃ…という声がどこからともなく響いていた▼一念発起ではないが、遅ればせながら...続きを読む

回転窓/若手の主張は実を結ぶ [2021年6月14日1面]

 少年サッカーの小学2年生を担当する若いコーチが胸をなでおろしていた。「固いボールでヘディングを練習しないのはあり得ない」と言い切る指導歴20年以上のコーチに「危ないからやめましょう」と1年前から訴えていた▼医学研究の結果を踏まえ、欧米には若年層のヘディングを禁止または制限する国が何年も前からある。日本サッカー協会は4月に15歳以下向けの指針を策定し、小学1、2年生には新聞ボールなどの使用を推奨し...続きを読む

建設業/民間企業で新型コロナのワクチン職域接種へ [2021年6月11日3面]

 新型コロナウイルスの感染拡大対策として、建設業でもワクチンの職域接種を実施する動きが広がっている。大手ゼネコンでは大成建設、清水建設、鹿島、竹中工務店が職域接種の実施を予定。このほかにも専門工事業団体が実施に向けて具体的な検討に入っている。政府は8日に企業や大学などの単位で職域接種の申請受け付けを開始。10日の定例会見で加藤勝信官房長官は、職域接種の申請について「申請内容を一つずつ審査している」...続きを読む

回転窓/安全へのまなざし [2021年6月11日1面]

 7月1~7日の全国安全週間に向けた準備月間に入った。各地で安全大会が開かれている▼昨年は新型コロナウイルスの影響で安全大会を中止する企業が相次いだ。1年たってリモートとの併用が定着。会場に集まる人数を制限しながらオンラインで現場や協力会社と結び、指示を徹底するケースが目立つ▼全体の作業標準だけではなく現場の状況を落とし込んだ具体的な作業手順を整備してほしいと、労働基準監督署の幹部が訴えていた。建...続きを読む