2022環境特集/コロナ禍を乗り越え脱炭素社会へ

2022年6月10日 特集

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 国際エネルギー機関(IEA)はことし3月、エネルギー燃焼と工業プロセスを対象にした2021年の二酸化炭素(CO2)排出量が20年から6%増加し過去最高の363億tになったと発表した。20年はコロナ禍の影響で産業活動が停滞し19年比で5.2%減ったが、21年は再生可能エネルギー発電が最大の年間成長を記録したにもかかわらず、ワクチンの普及で世界的に契機が急激に回復し、石炭消費が急増。その結果、ほとんどの地域でCO2排出量が増加した。ブラジルとインドは10%以上、米国と欧州連合(EU)は中国の5%を上回る7%で、日本は1%未満にとどまった。コロナ禍から一層の立ち直りが見込まれる今後、脱炭素化に向けた取り組みの在り方が問われそうだ。本特集では、30年までに13年比で46%のCO2削減、50年までにカーボンニュートラルの実現を目標に掲げる日本の環境政策について環境省の中井徳太郎事務次官にインタビューしたほか環境・エネルギー問題に対する学識者、専門家に取材。その内容とともに各社の環境に配慮した建築作品、省エネ・脱炭素化技術などを紹介する。
 ◇紙面案内
 2面 環境政策 環境事務次官 中井徳太郎氏
 3面 脱炭素化に向けた議論のあり方 工学院大学建築学部教授 野部達夫氏
 4面 エココンクリート 岐阜大学工学部社会基盤工学科教授 國枝稔氏
 5面 水素エネルギーの有用性 日本エネルギー経済研究所電力・新エネルギーユニット新エネルギーグループマネージャー研究主幹 柴田善朗氏
 6・7面 主要建築設計事務所の環境建築作品
 8~10面 団体・企業の環境保全技術、省エネ・省CO2技術など