大阪府/寝屋川南部寺島集水区総合治水対策、2増補幹線の整備推進

2025年5月13日 工事・計画 [8面]

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 大阪府東部流域下水道事務所は、寝屋川南部流域のうち東大阪市や大東市の一部をカバーする寺島集水区の総合治水対策で、枚岡河内北増補幹線と枚岡河内中央増補幹線の整備を推進している。いずれもシールド工法を採用。このうち北増補幹線は詳細設計の段階で、2025年度は立坑の用地やルートの調整を中心に検討作業を進める。
 北増補幹線は東大阪市加納8から川田1にかけて延長約1キロを整備する計画で、先行している中央増補幹線に接続する=位置図参照。管径は2400ミリ。従来の地下河川に雨水を落とし込む方式とは異なり、増補幹線自体に雨水を一時貯留し、晴天時に順次排水する貯留型の増補幹線となる。詳細設計は日建技術コンサルタントが担当し、6月30日の納期で実施中。
 北増補幹線はもともと細い街路下を通る計画となっており、発進立坑の位置取りによってはシールドの掘り始めが急曲線となることから、立坑の用地選定やルートの調整を慎重に進めている。これらの条件整理が終わり次第、工事発注に向けた具体的な準備を本格化させる。
 一方、中央増補幹線は23年12月に着工し、発進立坑の築造工事を2月に完了、引き渡しを終えた。現在はシールドマシン(泥土圧)を製作中で、10月以降の現場搬入を予定。26年4月に掘進を開始し、28年9月29日の完成を目指す。到達立坑は既設の加納元町調節池第1期施設を活用する。工事場所は東大阪市中鴻池町3~加納5。シールドの仕上がり内径は5000ミリ、延長は3357メートル。施工は大林組・大鉄工業・大本組・奥村組土木興業JV。
 寺島集水区では戦後最大実績降雨による浸水被害を防ぐため、下水道施設と河川施設の一体整備による総合治水対策に取り組んでいる。両増補幹線が完成すれば下水道施設分の必要貯留量5万9100立方メートルを確保でき、下水道事業としての対策(10年確率降雨相当)が100%達成となる。