三重県/強靱化対策5年間の施策実施状況、目標18項目中17項目達成へ

2025年5月13日 行政・団体 [7面]

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 三重県は、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に合わせて進めている県の災害対策実施状況をまとめた。2021年度に5年間を見据えた県の達成目標を示し、計画的に取り組みを進めてきたもので、最終年度となる25年度も各事業を推進し海岸堤防の高潮対策など18項目中17項目で目標が達成できる見通しとした。
 5か年加速化対策の終了後も、のり面・盛り土の崩落防止や河川堆積土砂の撤去など各メニューで対策が必要な箇所が残るため、国が策定作業を進めている次期国土強靱化実施中期計画を踏まえ、26年度以降も目標を掲げて着実に対策を進める予定だ。
 県の主な対策メニューは▽のり面・盛り土の土砂災害防止(25年度末までの進捗目標約40%)▽渡河部橋梁の流失防止(約50%)▽河口部の大型水門・樋門などの耐震化(約50%)▽海岸堤防など高潮対策(約80%)▽河川堆積土砂の撤去(約40%)-など18項目。25年度までの目標は17項目で達成する予定。河口部の大型水門・樋門などの耐震化については、本年度末までの目標達成は困難とした。
 のり面・盛り土の土砂災害防止は、緊急輸送道路沿いでコンクリート製のり枠工や落石防護網工などを行っている。全149の要対策箇所に対し、本年度で約60カ所(約40%)が実施済みとなる。26年度以降、5か年加速化対策と同水準の予算が継続されれば約15年で完了する。通常予算だけの場合は約55年かかる試算。
 渡河部橋梁の流失防止の対象は全8橋。橋脚の少ない構造形式への変更を進めている。本年度末までに4橋が完了する予定。同水準予算継続なら約5年、通常予算だけは約10年での完了を想定する。
 河口部の大型水門・樋門などの耐震化は20施設で対策が必要。水門柱や排水機場施設を補強している。本年度末までに9施設が完了する見込み。目標は約10施設だった。同水準予算が継続されれば約10年、通常予算だけなら約25年で完了する予定。
 海岸堤防整備など高潮対策は要対策区間131キロに対し、本年度末までに約100キロの完了を目指す。同水準予算継続なら約40年、通常予算だけでは約60年かかると試算した。
 河川堆積土砂の要撤去量は約310万立方メートル。既に約110万立方メートルを撤去済み。30年度以降、緊急浚渫推進事業債が継続すれば約10年、29年度で事業債が終了した場合は約20年かかる見込み。
 このほか、緊急輸送道路の舗装修繕や橋梁の耐震補強、未改良区間の整備、粘り強い堤防への強化などにも取り組んでいる。