セメント大手3社/25年3月期決算、値上げ効果で採算改善そろって営業増益

2025年5月14日 企業・経営 [2面]

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 セメント大手3社(太平洋セメント、UBE三菱セメント、住友大阪セメント)の2025年3月期決算が13日に出そろった。セメント販売価格の引き上げ効果などで3社とも営業増益を実現した。各社は顧客に対し1トン当たり2000円超の値上げを要請している。26年3月期の業績は価格是正効果などを見込み、3社とも増収営業増益を予想している。
 セメントの国内販売数量は25年3月期実績で太平洋1233万トン(前期比622トン減)、UBE三菱775万トン(45万トン減)、住友大阪720万トン(57万トン減)。輸出は太平洋が303万トン(47万トン増)、住友大阪が127万トン(33万トン増)。各社ともセメント事業の営業利益は好転しており、値上げ効果が出ているようだ。
 セメント部門の業績は太平洋が売上高6433億円(2・1%増)営業利益532億円(62・3%増)、UBE三菱が売上高5610億円(4・1%減)、営業利益508億円(11・2%増)、住友大阪が売上高1564億円(3・2%減)、営業利益8億円(前期は14億円の赤字)だった。
 26年3月期の国内需要は太平洋が3100万トン、UBE三菱と住友大阪が3200万トンを予想する。国内販売数量は▽太平洋1170万トン(629万トン減)▽UBE三菱775万トン(増減なし)▽住友大阪714万トン(10万トン減)-と目標設定した。
 輸出は太平洋が360万トン、住友大阪が140万トンを計画する。
 輸出や海外事業を含めたセメント事業の業績は太平洋が売上高7040億円(5・4%増)、営業利益595億円(9・4%増)、UBE三菱が売上高5700億円(1・6%増)、営業利益520億円(2・3%増)を予想。住友大阪は売上高1639億円(4・8%増)を見込み、営業利益は前期から大幅増の100億円を予想する。