情報通信設備工事大手3社(エクシオグループ、コムシスホールディングス〈HD〉、ミライト・ワン)の2025年3月期決算が13日に出そろった。NTTグループの積極的な設備投資や旺盛なデータセンター(DC)需要が、各社の業績をけん引。連結ベースでは全社が増収増益となった。24年4月の時間外労働上限規制の適用以降で初の本決算を好調に終えた各社は、業務効率化や事業体制の再編で生産性を高めながら、将来への成長投資にも力を入れる。
連結売上高は全社が増収とした。エクシオグループは中期経営計画(21~25年度)で掲げた目標の6300億円を1年前倒しで達成。DC需要に加え、NTTの次世代光回線のエリア拡張やNTTドコモの回線容量増大に向けた工事需要に応えた。
コムシスHDはNCC(ニュー・コモン・キャリア=NTTグループ以外の通信事業者)の投資抑制の影響を、ITソリューション事業や社会システム関連事業の伸長が補った。ミライト・ワンは再生可能エネルギー関連工事などに加え、傘下の西武建設や国際航業の売り上げ増が寄与した。
本業のもうけを示す営業利益は全社が増益。エクシオグループは、子会社の再編を含むアクセス・モバイルの一体運営や選別受注の強化などが実を結んだ。ミライト・ワンはキャリア事業で、各支店と地域会社で保有資産を共有・集約するなどして利益確保に取り組んだ。先行指標となる受注高も全社が伸ばしている。
各社は26年3月期、NCC各社の投資動向や米国の通商政策が国内設備投資に与える影響を引き続き見極めつつ、DC関連など官民の大型案件を確実に受注したい考え。グループ内の連携や事業体制の見直しによる業務効率化で収益性を改善するとともに、将来に向けた投資を惜しまない方針だ。コムシスHDは人材投資などを強化するとし減益を見込む。