川崎市は5月30日、「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新事業」の落札者を、604億6630万2728円(税抜き)で大和ハウス工業を代表とするグループに決めたと発表した。一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)には2グループが参加し、次点は日鉄興和不動産グループだった。BTO(建設・移管・運営)方式のPFIで老朽化した施設を再整備する。
基本協定の締結は8月上旬、仮事業契約は10月中旬、本契約は12月を予定している。事業期間は2057年3月31日まで。
代表企業の大和ハウス工業は建設、解体撤去、付帯事業を担当する。構成員は東急(その他業務、付帯事業)と東急モールズデベロップメント(同)。協力企業として久米設計(設計、工事監理)、国分グループ(その他業務・市場連携)、オオバ(設計)、大和リース(設計、建設)、大和ハウスプロパティマネジメント(維持管理)、大和ライフネクスト(同)、織戸組(建設)、デザインアーク(同)、フジタ(同)、横山工務店(解体撤去)、東芝エレベータ(建設)、富士通(その他業務・通信インフラ整備)、パシフィックコンサルタンツ(設計、工事監理)が参画している。
事業内容は統括監理、整備、維持管理など。付帯事業は事業対象地の一部に事業用定期借地権を設定し、市場機能連携施設の設置と運営をPFI事業と一体的に行う。
提案によると川崎から全国に発信する卸売市場再整備の先進モデルをビジョンに掲げ、市場、フードパークなどを備えた新しいかたちの広域的食品流通拠点の創出を目指す。主な施設概要は卸売市場と食品流通を融合した日本初の拠点「ONEいちば」が延べ約22万9000平方メートル、食の魅力を発信するにぎわい施設「フードパーク」が延べ約7万3000平方メートル。
施工は敷地内の既存スペースや一部解体で生じるスペースに、建物を新設・移転しながら進めるローリング工事を想定している。北部市場の所在地は宮前区水沢1の1の1。1982年7月に開場した。敷地面積は約16万8500平方メートル。既存施設の総延べ床面積は9万4402平方メートル。