関東整備局/常陸那珂港区中央ふ頭国際物流ターミナルを着工、総事業費160億円

2025年6月3日 工事・計画 [5面]

文字サイズ

 関東地方整備局が、産業機械など貨物需要に対応するため整備を推進する「茨城港常陸那珂港区中央ふ頭地区国際物流ターミナル」の工事に着手した。約160億円の総事業費で2・1ヘクタールのふ頭用地に水深14メートルの耐震岸壁を整備。沖合で入港を待つ船舶や他港から貨物を移動させる横持ちの解消を狙う。5月31日に茨城県ひたちなか市内で着工式を開いた。
 中央ふ頭地区物流ターミナルは、同県沿岸部のほぼ中央に位置する茨城港内の常陸那珂港区に位置する。隣接する北ふ頭地区と南ふ頭地区に挟まれ、既に中央ふ頭地区内では二つのふ頭が供用を開始している。
 計画では延長330メートルの耐震岸壁を整備し、主に北米向けの産業機械など需要が旺盛な外貿コンテナの増大に対応する。事業期間は2024~30年度。総事業費は約160億円を見込む。うち岸壁整備に約105億円、ふ頭用地の埋め立てに約55億円を充てる。現在、岸壁築造工事と関連する工事の施工者を選ぶ入札手続きを進めている。
 同日の式典で主催者あいさつした国土交通省の稲田雅裕港湾局長は「港湾の機能強化によって物流の効率化が期待できる。地域の基幹産業を支える極めて重要な役割を担っている」と述べ、新規のふ頭に期待を寄せた。
 地元を代表して大井川和彦知事は「茨城県のみならず北関東全体を支えている」と語り、常陸那珂港を含むコンテナふ頭が同県に欠かせない存在だと強調した。続いて会場に駆け付けた地元の保育園児と共に関係者が鍬入れとくす玉開披で工事の無事故、無災害を祈願した。
 常陸那珂港区の取り扱い貨物量は右肩上がりで、23年度は1579・5万トンに達し、外貿も1077万トンに上る。輸出品目は完成自動車や産業機械、輸入が石炭、木材チップとなっている。