「100年に一度」と言われる東京・渋谷の再開発事業が最終章に入った。東急らが進める渋谷駅周辺の三つの大型プロジェクトが始動し、2031年には全棟が竣工する見込み。同社は3日都内で「東急の渋谷まちづくり最新情報発表会」を開き、坂井洋一郎執行役員都市開発本部渋谷開発事業部長は「人々の多様なチャレンジが織りなすリベラルなまち渋谷とまっすぐ向き合い、人と文化を中心としたまちづくりを進めていく」と力を込めた。
東急とJR東日本、東京メトロの3社は5月、19年に竣工した渋谷スクランブルスクエアI期(東棟)に続く「渋谷駅街区開発計画第II期(中央棟・西棟)」に着手した。東棟と一体的に、中央棟と西棟の2棟を総延べ9・5万平方メートルの規模で建設する。
中央棟は地下2階地上10階建て、西棟は地下4階地上13階建ての規模。31年の全棟竣工を目指す。
渋谷駅と松濤の間接地に位置する東急百貨店跡地では、現在地で建て替える「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」が進行中。S一部SRC造地下4階地上34階建て延べ11万9041平方メートルの規模の超高層ビルを整備する。
エネルギーに満ちた渋谷スクランブル交差点と、高級住宅街松濤の結節点に位置する同エリアで「もう一つの渋谷」を目指し、文化・芸術の拠点となるウェルビーイングな空間を創る。29年7月末の竣工を予定している。
渋谷駅から青山通りの間にある宮益坂周辺エリアでは、3棟総延べ20万平方メートルの規模の再開発ビルを建設する「宮益坂地区第一種市街地再開発」が進む。同地区では官民連携で誰もが巡り歩いて楽しい街の実現と、世界をリードする国際ビジネス交流都市の創造を目指す。