建設技術研究所/イノベーションスタジオを交流の場に、業界・分野の垣根越え活用

2025年6月5日 企業・経営 [3面]

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 建設技術研究所が東京都中央区の国土文化研究所で3月に開設した「CTIグループ イノベーションスタジオ」を、社内や周辺地域との打ち合わせ、交流の場として活用している。「温故知創」をスタジオコンセプトに、国土文化研と社内外の知識・技術を集め、新たな事業やアイデアを創造する。モニターやウェブ会議システムを備え、業界や分野の垣根を越えた議論の場を提供。将来的にはウェビナーやオープンイノベーションの議論にも活用する。
 スタジオは180インチマルチモニターや、マイクなしでも明瞭に音を聞き取れる音響設備を備える。スタジオの整備はウチダシステムズ(東京都中央区、岩田正晴社長)が担当した。
 建設技術研究所企画・営業本部の森川浩事業企画・推進部長は「ウェブ会議などでも臨場感を持って参加できる」と話す。同社事業企画・推進部の鶴野登志博グループ長によると「コンパクトで使い勝手がいい」という。
 現在は社内会議だけでなく、社員が案内役となって隅田川や日本橋をクルージングする「ドボクルーズ」の計画立案などの場となっている。スタジオは本社から少し離れており「社員のリフレッシュの場でもある」と森川氏。懇親会のほか、若手社員が本を持ち寄って読書会なども開いている。今後はオープンイノベーションの場として、エネルギーや情報提供サービス、環境DNAといった新規事業分野で、ベンチャー企業や大学関係者との打ち合わせなどに活用する。
 同社は2023年に地方自治体向けのウェビナーも開いており、下水道DXや防災、オンデマンド交通などに関する技術やノウハウを提供している。次回は南海トラフ地震に関わる事前復興や復興計画についてパネルディスカッション付きのウェビナーを開く予定。スタジオを会場として利用する。
 同社が会員となっている「日本橋浜町エリアマネジメント」のメンバーでつくる「浜町読書倶楽部」でもスタジオを活用している。森川氏は「地域の小中学生にもスタジオを見学してもらえれば」とし、地域に開かれた場へと将来の姿を見据える。