日本橋リバーウォーク構想が始動/5再開発組合と首都高速会社が連携

2025年6月12日 工事・計画 [4面]

文字サイズ

 ◇一体で親水空間整備
 東京駅東側の日本橋川沿いで、水都・東京を象徴する新たなランドマーク「日本橋リバーウォーク」構想の実現を目指す取り組みが始動した。日本橋川周辺の再開発5組合と日本橋区間を地下化する首都高速道路会社が連携。エリアマネジメント法人の協力も得て親水空間を整備する。各地区の再開発ビルは相互に機能を補完。エリア全体で多様な都市機能を提供し東京の国際競争力アップなどにつなげる。
 構想を紹介する情報発信施設を16日オープンする。一般社団法人の「日本橋リバーウォークエリアマネジメント」を立ち上げ、11日に東京都内で記者会見した。七尾克久業務執行理事(三井不動産日本橋街づくり推進部長)は「施設内でのミクストユースに加え、エリアとしてのミクストユースが進めば、面的にさまざまな需要を吸収できる」と説明。「首都高の地下化と再開発が連動し国際競争力や日本の価値を高められれば良い」と将来を展望した。
 沿川では▽八重洲一丁目北▽日本橋室町一丁目▽日本橋一丁目東▽日本橋一丁目1・2番▽日本橋一丁目中-の5地区で再開発が進行している。各組合が協力し緑地広場やプロムナードを一体的に整備。川幅を含めると幅約100メートル、延長約1・2キロの広大な親水空間が生まれる。日本橋川や昭和通りをまたぐ人道橋も整備して回遊性を高める。
 各地区の再開発ビルにはオフィスやホテル、レジデンス、MICE(大規模なイベント)、文化発信などさまざまな機能が入る予定。今後は同法人を橋渡し役に連携を強化する。機能を相互に補完したり、共同でイベントを開催したりして、エリア一帯で都市機能を提供できる体制を整える。清掃活動をはじめ、日本橋川の水質改善でも協力する。
 将来像を発信する施設「VISTA」を室町NSビル(東京都中央区日本橋室町1の8の3)に開設する。映像や模型、パネル展示で全体像が理解できる。来場は事前予約制。首都高速道路会社のホームページ(https://www.shutoko.jp/)で16日から予約を受け付ける。