茨城県立中央病院と県立こども病院を統合した新病院の整備を巡り、茨城県は基本構想や基本計画などを議論する「新県立病院整備検討委員会」を6月下旬以降に立ち上げる。委員は大学病院や医師会、病院関連団体、患者団体などで構成する。本年度中にも基本構想を取りまとめる見通し。県は水戸保健医療圏6病院の再編を進める。新病院の建設候補地は笠間市小原地区と水戸市三湯町地区周辺となっている。
基本構想の策定後、2026年度に基本計画をまとめる。基本計画には▽外来、入院など各部門の整備方針▽施設整備計画▽医療機器整備計画-などを盛り込む。25年度から10年以内の開院を目標にする。基本計画などの策定支援は5月に公募型プロポーザルを実施し、シップヘルスケアリサーチ&コンサルティングを委託先候補に決めた。
建設地は県央・県北の高度急性期医療を担うため、常磐道水戸ICを中心にアクセスが良好な場所を選ぶ。現時点で、笠間市小原地区と水戸市三湯町地区周辺の2カ所が候補に挙がっている。
水戸保健医療圏6病院は規模が同程度の病院が複数あり、機能の分化や連携が進まず、高度急性期病床が不足しているという。県立中央病院と県立こども病院は築35年以上が過ぎ、建物の老朽化などが課題となっている。県は、再編の初弾として両病院を統合する。
県立中央病院の所在地は笠間市鯉淵6528(敷地面積5万7871平方メートル)。本館やがんセンター棟、救急・循環器センター棟などで構成する。本館の規模はRC造6階建て延べ2万6912平方メートル)。病床数は500床(一般475床、結核25床)。
県立こども病院の所在地は水戸市双葉台3の3の1(敷地面積3万9495平方メートル)。本館やリニアック棟などで構成する。本館の規模はSRC造地下1階地上3階建て延べ1万3904平方メートル)。病床数は一般115床となっている。
いずれも建て替えまでの期間は計画的に更新や修繕工事を実施し、診療機能の維持・確保に努めるという。
水戸保健医療圏は▽笠間市▽水戸市▽小美玉市▽茨城町▽大洗町▽城里町-で構成する。▽県立中央病院▽県立こども病院▽水戸済生会総合病院▽水戸医療センター▽水戸赤十字病院▽水戸協同病院-の6病院が所在する。