堺市/堺ミュージアム整備へ本格検討、8月に外部有識者懇話会

2025年6月19日 行政・団体 [16面]

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 堺市は博物館と美術館の機能を併せ持つ複合文化施設「(仮称)堺ミュージアム」の整備に向けた検討を本格化させる。8月に外部有識者による基本構想検討懇話会を立ち上げ、12月にも基本構想案を取りまとめる方針だ。2026年度の基本構想策定と基本計画への移行を見据え、施設の機能や運営手法の検討を進める。
 建設予定地は大仙公園に隣接する旧大阪女子大学大仙キャンパス跡地(堺区大仙町)で、敷地面積は約4・6ヘクタール。堺市が用地を取得済みで、堺市博物館や堺アルフォンス・ミュシャ館などの既存施設との機能分担や再編・集約の在り方を含めた文化資源の活用策が焦点となる。クラシックカー展示など、市所蔵のコレクションの新たな発信拠点としての活用も検討する。
 懇話会は年内に4回程度開催し、機能や役割について専門的な意見を聞く。併せて民間活力の導入可能性についてもサウンディング(対話)調査を行う予定で、大仙公園エリアの魅力向上につながる取り組みとして位置付ける。
 堺市博物館(堺区百舌鳥夕雲町2)は1980年に開館し、延べ6371平方メートルの規模で古墳群や堺の歴史を紹介。老朽化や展示手法の見直しが課題となっている。堺アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館内)は、商業ビル内の延べ2460平方メートルで運営し、所蔵作品は約500点。施設の分散や維持管理の効率化も議論の視野に入る。
 素案は24年度に市民アンケートや既存施設のボランティアとの意見交換を踏まえ作成済み。