建設工事の技能者を雇用する専門工事会社の採用難が一段と厳しくなっている。建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)が傘下団体の会員企業に行った直近の調査によると、技能者を「(必要だったが)1人も採用できなかった」との回答が5割を超えた。予定通り採用できた会社は1割強にとどまり、1年前と比べても採用状況は悪化している。ゼネコンやハウスメーカーを含めた人材獲得競争の激化が背景にあるとの見方もある。=2面に関連記事
昨年11、12月に行った「働き方改革における週休2日制、専門工事業の適正な評価に関する調査」の結果(有効回答751社)を公表した。技能者を予定通り採用できた会社は14・1%。予定通り採用できなかった会社は74・9%に達し、1年前の65・2%を大きく上回った=グラフ参照。
調査主体の「建設技能労働者の働き方改革検討委員会」で委員長を務める蟹澤宏剛芝浦工業大学教授は、この結果を「建設業界全体で重く受け止めるべきだ」と強調する。従来は専門工事会社が主にアプローチしてきた工業高校生に「大手のゼネコンやハウスメーカーが(主に技術者として)目を向けている」と指摘。「現場で直接施工を担う人材が枯渇してしまったらどうするか。元請や下請の立場を超え、業界全体で考えないと、現場のものづくりが成り立たなくなってしまう」と警鐘を鳴らす。
建設業への入職機運を高め、既存人材の離職を食い止めるためにも、現場の労働環境の改善が必要だと訴える。
今回の調査によると、各社で実際に取得できている休日が「4週8休以上」は18・9%だった。1年前の10・3%から改善したが、依然低い水準だ。週休2日が困難な理由は「適切な工期が確保できない」「元請が休ませてくれない」が回答数の上位を占める。現状の打開には発注者・元請間での対応が必須となる。
酷暑対策も急務だ。昨年から熱中症対策が義務化され、水分摂取や休憩しやすい環境整備など元請主導の対策は下請目線でも強化されている。一方、猛暑期間の現場閉所日数が「増えた」は14・1%だった。蟹澤教授は、夏場の休日確保や労働時間短縮の必要性を指摘。その間も生産性を維持する方策として部材のプレハブ化や、設計の確定を前倒しするフロントローディングの徹底による現場作業のオフサイト化を提案する。







