みずほ銀と東北6県建設7社/新会社方針説明、最終目標は単体受注

2025年6月25日 企業・経営 [6面]

文字サイズ

 東北6県の地域建設業7社とみずほ銀行は23日に東京都内で会見し、共同出資して30日付で設立する新会社「東北アライアンス建設」の方針を説明した。各県に支店がある同行のネットワークを生かし、7社の広域連携による協業を支援。経営リソースを最適化するとともに、技術を結集しDXや生産性向上の取り組みを推進する。最終的には新会社単体での建設受注を目指す。同行リテール・事業法人部門の足立龍生共同部門長は「地域課題(解決)のモデルケースとなることを期待している」と語った。
 会見には同行の関係者と7社の各代表者が出席した。社長に就く陰山正弘氏(福島県郡山市、陰山建設社長)は「東北6県それぞれの地域に根差した建設会社が集結することで、さまざまな化学反応を起こして成長していきたい」と力を込めた。その上で他産業との協業も含めさらなるアライアンスの可能性も示唆。「異業種連携も積極的に行うことで可能性の幅も大きく広がり、これまでにない新たな建設会社となると確信している」と話した。
 大規模な自然災害の発生時にも地域の守り手として広域対応の体制を構築できるよう「(各社の災害対応に関する)ノウハウを共有し、物資や人材、資機材などをスピーディーに投入できるネットワークを整備する」と述べた。
 新会社の設立は、同行が人口減少の影響で将来の事業縮小が懸念される地域建設業の現状を見て提案した。まずは陰山建設が得意とするDX分野の情報を共有し、各社の生産性向上を推進する。民間案件を念頭に下請などの立場で受注実績を積み上げ、最終的には各社から社員を出向するなどして新会社単体での建設受注を目指す。
 同行は資金提供とともに、各店に支店がある情報ネットワークを生かして地域建設業の新たなビジネスモデルを支援する。足立氏は「全都道府県に拠点を構える唯一の銀行として、みずほならではの価値を提供して事業の成長に大きく貢献したい」と強調。さらに「メガバンクの中で最もイノベーション企業とのインターフェースを強く持っている」として、技術革新やDX推進での貢献にも意欲を示した。
 出資会社は陰山建設のほか▽大森建設(秋田県能代市、大森三四郎社長)▽幸栄建設(山形県東根市、佐藤信勝代表取締役)▽タカヤ(盛岡市、細屋伸央社長)▽深松組(仙台市青葉区、深松努社長)▽藤本建設(青森市、長谷川学代表取締役)▽NICHIUN(青森市、藤本宏涼代表取締役)-の各社。