神田錦町三丁目南部東地区市街地再開発準備組合(東京都千代田区)は、再開発区域内に適用するまちづくりガイドラインの素案をまとめ、区に提出した。素案によると区域内には大規模オフィスや商業施設、ホテル、文化交流施設などを整備する方針。大規模な広場や歩行者空間も確保し、周辺エリアの回遊性向上につなげる。エネルギー供給施設や帰宅困難者の一時滞在施設も設け、地域の防災力向上にも寄与する。
区が25日、準備組合が提出していた素案を公表し、意見募集を始めた。7月9日まで受け付ける。意見を踏まえ、区のまちづくりガイドラインとして策定する。
再開発の計画地は神田錦町3。錦城学園高等学校と正則学園高等学校が区域北端にある。区域内には安田シーケンスタワーや竹橋安田ビルといった安田不動産のオフィスビルも立つ。
再開発で導入する機能として▽競争力のある大規模業務施設▽商業施設▽宿泊機能▽文化交流施設-などを挙げた。千代田通りと神田警察通りが交差する計画地に、多様な都市機能を導入。にぎわいを生み出し、周辺エリアの回遊拠点として機能させる。区域内にある二つの高校は再開発に合わせて建て替える方向だ。
歩行者ネットワークの拡充に力を入れる。地上レベルでは、区域を北東から南西に貫く貫通通路を整備。南西にある東京メトロ東西線竹橋駅を出た人が、JR神田駅方向や御茶ノ水エリアに抜けられるようにする。区域北端には大規模な広場を整備。イベントやお祭りに活用し、災害時の一時避難場所としても役立てる。
防災力の強化に向け、エネルギー供給施設や帰宅困難者の一時滞在施設を確保。防災備蓄倉庫も設ける。再開発に合わせ、周辺道路の無電柱化も進める。
このほか施設には大規模な立体駐車場も整備する方針。周辺エリアでは駐車場付置義務の影響で中小規模建物の建て替えが進んでいない。区は施設に駐車場を集約し、規制を緩和したい考え。実現に向け、駐車場に関する新たなルールの策定も検討している。