梅雨の雲間から陽射しが覗く天候が続く。暦が半夏生を迎え、これから夏の暑さがさらに厳しくなる▼建設業界にとって夏は過酷な季節。肌を刺すような日差し、耐えがたい高温多湿、突然の豪雨や突風。自然の猛威に加え、重機作業や高所作業といった危険と隣り合わせの現場は、わずかな気の緩みが大きな事故を招く▼今年も全国安全週間がスタートする。現場の「命を守る文化」を根付かせるため、多くの人が「安全第一」という言葉と真剣に向き合っている。それでも起こってしまう事故。作業前の点検、こまめな水分補給、声かけによる注意喚起。小さな積み重ねが大きな事故の防止につながる。ヒヤリハットの共有や熱中症対策の徹底は自分自身だけでなく仲間を守る意識そのものだ▼建設業は社会を支える重要な基盤を築いている。だが基盤を築くには、まず人が安全でなければならない。半夏生を境に季節は確実に夏本番へと移りゆく▼今夏も全国の現場でたくさんの技術者、技能者が汗を流し、ものづくりに心血を注ぐ。ご安全に--。現場の誇りを込め多くの人が日々口にするあいさつの尊さをもう一度考えたい。