全建/生産性向上計画を策定へ、省力化投資促進プランを踏まえ5カ年の施策検討

2025年7月3日 行政・団体 [1面]

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 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)は政府の省力化投資促進プラン(建設業)を踏まえ、2025年度から5カ年の「全国建設業協会 生産性向上計画(仮称)」を策定する。生産性向上の取り組みに関するアンケート結果などを活用し、会員企業が取り組みやすい目標や計画となるよう検討。建設生産システム委員会で議論し、各都道府県の建設業協会への意見照会を経て計画を固め、9月24日の理事会で決定する。秋ごろに開く中野洋昌国土交通相との意見交換会で同計画を報告する予定だ。=2面にアンケート結果
 政府の建設業向けの省力化投資促進プランでは「29年度までに建設業における年間実労働時間を全産業平均並みにするKPI(重要業績評価指標)を達成し、実質労働生産性目標については24年度比9%増を目指す」目標を掲げた。全建は同プランを参考に、生産性向上計画をまとめる。
 同プランに盛り込まれた▽24年度補正予算なども活用し、ICT機器について平時から積極的に活用することによりスキル向上を図る▽建設業におけるICT活用のニーズや課題を政府に伝える▽会員のICT活用事例を収集し、会員各社に周知する-の三つを軸に、全建としての取り組みを検討する。
 計画策定に当たり会員企業を対象に、生産性向上の取り組みに関するアンケートを4、5月に実施。ICT施工や生産性向上に対しては「市町村発注の規模の小さな工事まで設計にICT施工を盛り込んでいただきたい」「国の主導の下、今後も工事関係書類などの適正化を進めていただきたい」などの意見が出た。
 中小・零細企業にも生産性向上の取り組みを広げるには、市町村レベルまで発注者の意識を変えなくてはいけないとの声も寄せられた。
 2月14日に行われた石破茂首相、中野国交相と建設業主要4団体の意見交換会で、建設業の省力化投資促進プランも踏まえ、各団体で具体的な目標・期限を定めた計画を策定し、効果的に取り組みを推進することを申し合わせていた。