取材でお目にかかった瀬戸内のある市長が無投票当選の選挙を振り返り「これからが大事になる」と話していた。地方自治は首長と議員を有権者が直接投票で選ぶ二元代表制。無投票で民意を問うプロセスがなかっただけに「評価を自分で見聞きする」のが大切との思いがあると受け取った▼「人口が毎年1%減っている。選挙のための政策を並べても地域は持続しない」。無投票は地域を思う気持ちと政策が評価された結果だったのかもしれない▼第27回参議院議員通常選挙が3日に公示される。災害への備え、賃上げや経済対策、外交・安全保障など課題は枚挙にいとまがない。足元の生活と将来どちらも大事になる▼各党の政策アピールが始まり、現金給付や減税の話に熱がこもっている。物価高対策なのか選挙対策なのか…。財政の見通しや国を豊かにする政策もきちんと聞きたいと思う有権者は多かろう▼瀬戸内の市長によると「市民の不平不満は山ほど出てくる。できないことでもやらないといけないこともある。必要なのは覚悟」なのだそう。参院選の投票日は20日。選ばれる側の覚悟や真意に触れる機会をぜひ。