国土交通省は、AIを使った河川排水機場の遠隔異常検知システムの開発と実装に向け「インフラ施設管理AI協議会(仮称)」を9月ごろに立ち上げる。会員募集を8月6日まで受け付け、12月にも初会合を開く。行政や研究機関に加えポンプメーカー、AI開発ベンダーなどに参加してもらい、産学官連携で社会実装を目指す。協議会の下にワーキンググループ(WG)を設け、分野ごとに議論を進める予定だ。
国交省と土木研究所(土研)は、排水機場施設の老朽化対策や維持管理の効率化・高度化を目的に、AIを活用した異常検知システムの開発を進めている。排水ポンプなどにセンサーを設置し常時、運転データなどを取得。異常や故障の予兆検知を目指す。ただ排水ポンプは河川ごとに規模が異なる特注品が多く、情報や課題の共有が進んでいないのが現状だ。
そこでAI開発を担うベンダーやポンプメーカーなど異業種が集う協議会を設け、開発促進や開発後の性能改善、データ取得などの体制構築を図る。協議会には「研究推進」と「現場普及」の二つのWGを設け、個別の企業でつくる研究グループと連携しながら議論を進める。
協議会本体は産学官の体制で研究開発方針の検討やルール・制度づくり、成果や課題の共有を行う予定だ。