三機工業ら/小型ドローンで既存設備をデジタル化、3Dモデルの精度向上

2025年7月14日 技術・商品 [3面]

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 三機工業とグループ会社のキャド・ケンドロ(仙台市太白区、菅野正浩社長)はレーザースキャナーと小型点検用ドローンを併用し、既存設備のデジタル化手法を確立した。既存技術で課題だったレーザーが届きにくい狭く閉鎖的な場所でも、より精度の高い3Dモデルを効率的に作成できることを実証した。
 新手法では、狭小・閉鎖空間でのインフラ点検で豊富な実績があるLiberaware(リベラウェア)社製の小型ドローンを採用。ドローンが目視できる範囲を外れても、安定して飛ばすための操縦訓練を実施した上で、高精度の3Dモデルを作成する飛行方法や動画撮影条件を検証した。撮影動画を基に点群データを取得し、BIMソフト(レブロ)用のデータに変換する一連のデータ処理方法を確立し、運用体制を構築した。
 これまで配管やダクトが入り組む天井裏や機械室などは3Dモデルの作成が難しく、完成には一部に修正を加える必要があった。新手法では機械室などの空間で認識した建築部材は約135%増え、一部を解体した天井裏空間では約400%向上したという。足場を設け高所で測定する作業がなくなり、現場の安全性も大幅に改善した。
 三機工業は建物改修の市場拡大に伴い、既存設備をデジタル化する需要が高まると見込む。将来的にAI制御による自動飛行を視野に、キャド・ケンドロと新手法を展開していく。