名古屋市は、名城エリアにぎわい共創基本構想案をまとめた。観光の核である名古屋城や今月オープンしたIGアリーナなどエリア内の資源を活用し、歴史・観光・文化・スポーツの拠点機能形成を目指すため、多くの関係者が連携して取り組みを推進するための指針とする。将来的な展望も見据え、名古屋城一般公開・名城公園開園100周年となる2031年をめどに、名城公園の北園再整備(第2期)や堀川の水辺空間づくり、名古屋駅地区や栄地区との連携に向けた検討などに取り組む。
名城エリアの目指すべき姿の実現に向け、名古屋城とその周辺は「歴史・文化」を特に感じられる空間、名城公園北園は「緑・水・憩い」の空間、IGアリーナは「エンタメ・交流」空間とし、回遊性を高めることで一体感を生み出す。
歴史・文化を生かした空間づくりでは、天守閣の木造復元や金シャチ横丁の2期整備、名城公園北園の2期整備などを実施。名古屋城の水堀や堀川を活用した舟運に合わせ、水辺を身近に感じながら散策・滞在できるような魅力的な水辺空間を創出する。回遊性とエリアの一体感を生み出すため名城公園周辺の道路空間の再整備を進めるほか、名古屋城と北園間の東西道路の在り方、新たな移動手段の導入検討も進める。民間事業者や周辺の大学と連携し回遊性向上につながる取り組みも進める。
7月に開業したIGアリーナをはじめ名城公園の再整備など来訪者数の増加に対するアクセス対策も関係部局と調整、検討しながら対応するほか、名古屋城駅や名城公園駅の利便性も向上させる。隣接する名古屋城三の丸地区をはじめとした周辺エリアとの連続性を高めるため、来訪者が歩きたくなるウオーカブルな空間形成を検討する。
市は8月18日まで市民意見を募集し、寄せられた意見を踏まえ構想を策定する。庁内の関係部局や民間企業、周辺大学の関係者と連携し「共に創る歴史・観光・憩いのにぎわい拠点」の実現を目指す。