大阪府大阪狭山市は市立狭山中学校(狭山4)の建て替えによる高層化に向けた基本計画策定業務を8~9月ごろに指名競争で発注する。現在、指名に向けた準備を進めており、教室不足と老朽化解消への対応を急ぐ。2025年度当初予算に委託費として上限1413万円の債務負担行為を設定しており、25~26年度の2カ年でまとめる。
狭山中は1961年完成のRC造2階建て延べ4130平方メートルの校舎棟のほか、80年完成のS造校舎(延べ768平方メートル)や76年完成のRC造体育館(延べ1172平方メートル)など、築年数が経過した施設が並ぶ。敷地は東除川を挟んで南北に分かれ、南側に校舎と運動場(約1万3000平方メートル)、北側に体育館と25メートルプール(約2700平方メートル)がある。
今後、生徒数は35人学級の導入と学区内の生徒数増加により、30年度には21学級699人に達する見通し。手狭な運動場の問題も重なり、従来の施設構成では対応が難しいことから、敷地を有効活用した高層化による整備を進める。東除川を挟んだ南北の敷地の使い方についても基本計画の中で具体的な検討を行う。
検討業務では将来的な大規模校化の可能性や地域連携、他の公共施設との再配置も視野に入れ、施設整備の方向性を整理する。工事期間中も校舎を一部使用しながら、早期の教育環境改善を目指す。
狭山中の建て替え構想は同市教育部が7日に公表した25年度運営方針で重点施策の一つにも位置付けている。