関西電力は火力発電所「南港発電所(大阪市住之江区南港南7)」の更新計画で、環境影響評価(環境アセス)法に基づく環境アセスの「準備書」を大阪府などに提出した。府は2025年度に準備書、26年度に評価書の手続きを完了させる予定で、環境アセスの事前手続きが大詰めを迎える。26年12月に着工し、30年度の新1~3号機の同時稼働を目指す。
更新計画では運転開始から30年以上経過した既設設備(60万キロワット×3基、計180万キロワット)を廃止し、62・1万キロワットの最新鋭GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)設備3基を新設する。GTCCはガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率な発電方式。出力は合計186・3万キロワットで発電効率は現状の約44%から約63%に向上する。事業実施区域面積は50万平方メートル。
主な工事内容は60メートル×36メートル×32メートルのタービン建屋3基や30メートル×15メートル×32メートルの排熱回収ボイラー3基、高さ80メートルの3筒身集合型煙突1基、内径2300ミリの取水管(延長1350メートル)と放水管(延長930メートル)の据え付け、ガスタービンや蒸気タービン、発電機など主要機器3基ずつの搬入・設置など。
26年8月に準備工事を開始する。その後、各号機とも約4年をかけて建設・試運転を行い、30年度の供用開始を目指す。更新により二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも寄与し、電力業界が掲げる「ゼロカーボンビジョン2050」に寄与する取り組みとなる。
準備書は8月18日まで府庁や大阪市、堺市区役所などで縦覧できる。関電は期間中に説明会を開き、準備書に対する環境保全の見地からの意見を9月1日まで受け付ける。