米大リーグでストライク、ボールの判定をAIと複数のカメラを使って行う「ロボット審判」のシステムが初めて導入された▼15日にアトランタで開催されたオールスター戦で、1回裏に球審が低めのボールと判定した場面。投手と捕手が球審に異議を申し立てる「チャレンジ」を行った結果、機械判定で見逃し三振に覆った▼実際にロボットが立っているわけではない。センターと1、3塁に設置されたカメラによる「自動ボール判定システム」(ABS)が投球の軌道を計測して判定。結果は信号でイヤホンを装着した球審と3塁塁審に伝えられ、それを球審がコールする▼試合の公平性や判定の一貫性を高める一方、スポーツの醍醐味である「人間味」を損なう可能性も否定できない。ゾーンぎりぎりの投球を捕球動作などでストライクと判定させるキャッチャーのフレーミング技術や、審判によって異なる判定の傾向を読む駆け引きが無くなっては面白さに欠ける▼AIやロボットの活用は多くの産業、日常生活に広がり進化が止まらない。それらが人間の感情を推定し行動できる能力を持つ日も近いのだろうか…。