回転窓/観光都市・大阪の魅力

2025年9月10日 論説・コラム [1面]

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 大阪が観光都市としての存在感を高めている。韓国の調査機関がまとめた2025年の「世界で最も魅力的な観光都市ランキング」では、前年から2ランク上がり、首位に輝いた▼「古き良き」と「新しさ」の調和こそ大阪の魅力だ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や大阪城に加え、新世界・通天閣エリアには派手さとレトロな風情が広がる。対照的に大阪駅周辺は再開発が進行し、街の姿を大きく変えている▼大阪・関西万博の開催も追い風となる。大阪観光局によれば、1~6月に大阪府を訪れたインバウンドは前年同期比23%増の847万6000人で、過去最高を更新した▼市内を縦横に流れる33河川が「水の都」としての顔を形づくる。大阪は水運を基盤に経済と文化を育んだ都市で、江戸時代には「天下の台所」と称された。水辺のにぎわいを取り戻そうと、水路や川を活用した都市再生も進む。万博会場と市内船着き場を結ぶ水運も人気だ▼繁華街ミナミを流れる道頓堀川には遊歩道が整備された。親水空間は歓迎されるが、阪神タイガース優勝のたびにファンが飛び込む光景は、やはりいただけない。