回転窓/「正しく疑う」大切さ

2025年8月4日 論説・コラム [1面]

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 宿題の感想文を書かなければと気がせいてしまい、本の内容がなかなか頭に入ってこない。子供の頃、そんな夏休みの読書が苦手であった▼児童向けの「ヨンデミーレベル(YL)」をご存じだろうか。児童書の難しさを漢字率や一文の長さなどから数値化したもので、Yondemy(東京都中央区)が開発した。読む力を簡単に判定できるアプリもあり、子供の興味や読書力に合わせた本を選べる▼未来屋書店がYondemyとコラボレートし、今夏の「すいせん図書フェア」で従来の読みやすさに加えてYL別で本を紹介している。それらの中から1冊を購入して読んでみた▼書名は『正しく疑う 新時代のメディアリテラシー』(池上彰監修、Gakken)。フェイクニュースなどが多い現代にあって、マンガも交えて〈情報との向き合い方、発し方〉を分かりやすく解説する。子供たちにはぜひ読んでほしい一冊だ▼7月30日のロシア・カムチャツカ半島沖地震で出された津波警報を巡り、SNSなどでは根拠不明の情報も見られたという。情報を正しく疑う--。この大切さを知るべきなのは子供たちだけではない。