直島新美術館が完成/福武氏にとってのこれまでの集大成

2025年8月5日 特集

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 安藤忠雄氏(東京大学名誉教授、安藤忠雄建築研究所)設計の「直島新美術館」が完成し、5月29、30日に記念式典や内覧会が行われた。安藤氏は「直島を世界的に有名な芸術の島として開花させたのは、ひとえに福武總一郎氏の熱意にほかならない。世界中に立派な美術館はたくさんあるが、直島のようにクライアント個人の感性が光り輝いている美術館は稀有である。福武氏との出会いから35年以上経つが、福武氏の自由な精神と強い意志にここまでついてきて、今回の新美術館にも参画した」「実は基本設計がまとまりかけた時に、福武さんが長年熱望していた作品が手に入ることになり、急遽その作品に合わせて設計変更をすることになった経緯がある」と述べた。その作品とは中国人アーティストの蔡國強氏の代表作「ヘッド・オン」で、99体の精巧な狼の群れが大空間に展開するインスタレーションで、見る者を圧倒する。