奈良県香芝市は7日、大規模ホールや文化センターなどの機能を持つ複合施設「(仮称)香芝市文化センター」の整備に向けた基本構想を発表した。総事業費は80億~110億円程度を想定。本年度中に基本計画を策定し、2026年度中の着工、29年度の完成を目指す。事業手法は従来型手法のほか官民連携手法も検討する。
整備予定地は市役所(本町)南側の駐車場部分を中心とした区域で、総合体育館に隣接している。複合施設の規模は4階建て程度、延べ約1万4500平方メートルを想定し、ZEB化を検討する。導入する施設は音楽ホール(1000~1200席、約2000平方メートル)、図書館(蔵書約30万冊、約4000平方メートル)、博物館(約1500平方メートル)のほか、災害発生時など緊急時に市の災害対策本部として使用できる多目的スペース(約500平方メートル)などを予定。飲食や物販などの商業施設誘致も計画している。近接する旧モナミホール跡地(下田西3)と中央公民館(同)の敷地には複合施設と体育館の来場者が利用できる立体駐車場を配置予定で、規模は290~600台程度。
市では1000人規模の収容が可能なモナミホールを閉鎖し22年に除却して以来、同様の施設がなく、市民の文化活動が制約を受ける状態が続いている。加えて、ふたかみ文化センター(藤山1、RC一部SRC造地下1階地上3階建て延べ8502平方メートル)や中央公民館(RC造3階建て延べ2634平方メートル)も老朽化が進んでいることから、検討の結果、各施設を個別に建て替え・改修するよりも複合施設を整備して各施設の機能の維持・向上を図る方が効率的であると結論。先ごろ国からの財政支援のめどがついたことから、基本構想の発表に踏み切った。