川崎市は「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新事業」の契約締結を2026年6月に延期する。当初は12月の締結を予定していた。契約内容の事前協議に時間がかかることや、入札公告後の資材価格高騰への対応などが要因。BTO(建設・移管・運営)方式のPFIで老朽化した施設を再整備する計画。5月に一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)で大和ハウス工業が代表のグループが落札した。事業契約締結後に環境影響評価(環境アセス)と都市計画変更手続き、基本・実施設計などに着手する。現時点では37年の供用開始予定時期に変更はない。
基本協定を10月31日に締結した。事業費が600億円超、事業期間も62年に及ぶ大型プロジェクトなため、初期段階の体制や契約後の運営を想定した段階的協議が必要になった。コンソーシアムを構成する16社の意思統一に時間がかかったことや、入札後も続く物価高騰・人材不足などの影響を見極めたリスク分担協議などにも配慮。市は事業者との協議を継続する。
事業内容は統括監理、整備、維持管理など。付帯事業は事業対象地の一部に事業用定期借地権を設定し、市場機能連携施設の設置と運営をPFI事業と一体的に行う。提案によると川崎から全国に発信する卸売市場再整備の先進モデルをビジョンに掲げ、市場、フードパークなどを備えた新しいかたちの広域的食品流通拠点の創出を目指す。
施工は敷地内の既存スペースや一部解体で生じるスペースに、建物を新設・移転しながら進めるローリング工事を想定している。北部市場の所在地は宮前区水沢1の1の1。1982年7月に開場した。敷地面積は約16万8500平方メートル。既存施設の総延べ床面積は9万4402平方メートル。
代表企業は大和ハウス工業、構成員は東急、東急モールズデベロップメント。協力企業として久米設計、国分グループ、オオバ、大和リース、大和ハウスプロパティマネジメント、大和ライフネクスト、織戸組、デザインアーク、フジタ、横山工務店、東芝エレベータ、富士通、パシフィックコンサルタンツが参画している。







