堺市は老朽化が進むクリーンセンター東工場とリサイクルプラザの更新に向け、新たな清掃工場を東工場構内(堺市東区石原町1)の第一工場撤去跡に建設することを決めた。概算事業費は786億円。11月26日に「堺市一般廃棄物処理施設整備基本計画案」を公表した。今後、市民意見募集を経て、2026年度末ごろに策定する。
新工場は焼却施設と破砕施設、資源化施設を一体化した複合施設として計画。関連施設を含めた総建築面積は約1万8000平方メートルを見込み、可燃性残渣(ざんさ)処理を含むごみ処理工程を敷地内に集約し、運搬効率と運営コストの最適化を図る。
排ガス管理値は既存より厳格な基準(窒素酸化物〈NOx〉50ppm以下など)を設定し、廃棄物発電による熱回収も拡充。災害廃棄物は年間2000トンの受け入れ能力を確保する。
また環境啓発の核と位置付け、内部構造を学べるAR(拡張現実)投影やアトラクション型シアターなどの展示機能も導入。学校見学に対応した専用ルートやホールを配置し、循環型社会の理解促進にもつなげる。
概算事業費の内訳は第一工場など既存施設の解体と新工場建設費が約778億0300万円、PPP/PFI導入可能性調査や環境影響評価(アセスメント)、測量・土壌調査、PFI可能性調査、事業者選定アドバイザリーといった調査関連費が7億9700万円。算定条件は日量で焼却350トン、破砕55トン、資源化20トン。
現東工場には第一工場(休止中)と第二工場があり第二工場は新工場の稼働後に休止するが、今回示した総事業費に第二工場の解体撤去費は含まれていない。
今後は26年度に環境アセスに着手し、測量・土壌調査などの事前調査を順次実施する。これらの必要な関連費用は26年度当初予算に計上する方針。27~29年度に要求水準書作成、事業者選定、30年度に着工し、36年度の完成を目指す。供用開始時期は今後の詳細設計とアセス手続きを踏まえて確定する。







