神戸市は、中央区のウオーターフロント京橋地区にある小型船だまりを埋め立てることで、にぎわい施設や水際プロムナードなど新たな回遊結節点の創出を計画している。場所は東西を既存護岸、北側上部を阪神高速3号神戸線、南側上部を国道2号浜手バイパスに囲まれた公有水面(波止場町・新港町地先、約3・3ヘクタール)。船だまり機能を南側の海面やポートアイランド東側に移転し、阪神高速道路会社が進める3号神戸線の大規模更新と歩調を合わせて工事を進める。27日まで港湾局経営課と中央区地域協働課で公有水面埋め立て免許願書を縦覧している。
埋め立て後の土地利用はにぎわい施設など交流厚生用地(北側、約2万8000平方メートル)と緑地護岸(南側、約5000平方メートル)を計画する。護岸延長は西側護岸が南北約140メートル、南側の緑地護岸が東西175メートル。
工事は北側の第1工区と、緑地護岸を含む南側の第2工区の二つに分けて段階的に行う。護岸の高さは西側護岸が3~3・5メートル、緑地護岸が3メートル。西側護岸は鋼矢板を打設、緑地護岸は直立消波ブロックを構築し、埋め立て造成を実施。緑地護岸では深層混合処理で地盤改良を行う。3号神戸線の大規模更新工事の進捗に合わせて、第1工区が着工後3年以内、第2工区が同5年内の埋め立て開始を予定している。
工期は5カ年を見込み、1年次に緑地護岸の基礎工に着手。2年次から緑地護岸と護岸の本体工を実施し、併せて埋め立て工にも着手する計画。工事中は開口部に汚濁防止膜を設置し、海域環境への影響を最小限に抑える。
埋め立てを行うことで歩行者が海辺を快適に移動できる動線を確保する。周辺のウオーターフロント再開発と連動し、憩いの場としてのエリア機能強化を図る。創出する交流厚生用地は民間事業者による借地方式での利活用を想定。貸し付け参考額は1平方メートル当たり月額2400円を見込んでいる。
詳細設計は日本港湾コンサルタントが担当。
聴取意見を踏まえ、市議会議決を経て10月ごろに国土交通大臣に認可申請を行う。