名古屋港管理組合/水族館機能向上に向けた基本計画素案/整備手法はECI方式

2025年11月19日 工事・計画 [7面]

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 名古屋港管理組合は、「名古屋港水族館の機能向上に向けた基本計画」の素案をまとめた。新たな展示テーマやコンセプトを設定し、日本最大級の展示空間となる極地ペンギン飼育展示施設を新設するほか、既存施設の展示内容やゾーニングも改修する。整備手法は技術提案・交渉方式(ECI方式)を採用することも示した。
 開館から30年以上が経過する名古屋港水族館(名古屋市港区)の展示内容を見直し、コンセプトに「気候変動」の視点を新たに取り入れる。老朽化した設備機器を高効率なものにするほか、通路や観覧スペースの整備、授乳室や多目的トイレの再配置・更新、多言語化対応やデジタル技術活用で誰もが利用しやすい施設にする。
 現在のしおかぜ広場に延べ約3500平方メートル、水量約350トンの極地ペンギン飼育展示施設を新設する。南館3階は環境教育を行う延べ約1600平方メートルの南極エリア、2階は日本海エリアとして延べ約800平方メートルに水量約820トンの水槽を新設する。北館2階は水中観覧席とする。
 施設整備は管理組合が主体となって実施するが、設計段階から発注者・設計者・施工者が協力し、民間の知恵と工夫を取り入れ施工者独自の高度で専門的なノウハウや工法が活用できる技術提案・交渉方式が有効とした。今後は基本計画を踏まえ同方式の制度や条件を整理し、事業費やスケジュールを精査する。